SSブログ

懐炉 [俳句]

hokkairo.png


腰痛と35年間仲良しの私は、この時期は懐炉が欠かせません。今日は雪になるかもしれないということでしたので、腹と腰の二箇所に使い捨て懐炉を貼り付けて出かけました。なるほど、午前中は寒かったのでいい塩梅でしたが、夕方は気温が十二℃となり少し汗ばんでしまいました。
最近使っている懐炉は一つ十六円ですが高性能で、能書き通り十二時間私の腰を温めてくれます。

unnamed.png


懐炉 (1).JPG
使用前


紙懐炉終(つい)の温もり頬に当て 粋田化石


夜、衣服から剥がす際はまだ懐炉に僅かな温もりが残っています。それを頬に当てると気持ち良いので、それが日課になってしまいました。


懐炉 (2).JPG
使用後


廃棄の手少しためらう紙懐炉 粋田化石


十二時間も私の腰を温めてくれたコイツを簡単に捨ててしまうのは忍びない。夜、使い終わった懐炉を捨てる時に毎回思います。結局は捨てるのですが。

【 懐炉 くわいろ 】  温石(をんじやく)  (季冬)
懐中に入れて、体の冷えを防ぎ、暖をとる道具。金属などで作った容器に火をつけた懐炉灰を入れて用いるものや、揮発油を用いるもの、使い捨てのものなどがある。懐炉は元禄期の発明で、それ以前は石などを火で暖め、布で包んだ温石を用いていた。(角川合本俳句歳時記第四版)

むら肝のおとろへを知る懐炉かな 阿波野青畝

老骨の背中に入るゝ懐炉かな 池内たけし

ほこほこと身を焼きいやす懐炉かな 細木芒角星

みぞおちの懐炉があつし川を見る 田中午次郎

亡き母がふところにゐる懐炉かな 国弘賢治

京に着く頃には懐炉ほつこりと 波多野爽波

懐炉して臍からさきにねむりけり 龍岡晋

温石の抱き古びてぞ光りける 飯田蛇笏

nice!(11)  コメント(0) 

雪催(ゆきもよい) [俳句]

明日は我が地方も雪になるかもしれないそうです。
千葉県の人は温暖な気候の中でぬくぬく暮らしていますので、雪は苦手だと思います。先ず、自動車の運転が危なっかしくなります。かく言う私も雪道の運転は大の苦手。今夜は何とか雪にならないよう祈ることにします。
さて、雪になりそうな天候を指す季語で『雪催 ゆきもよい』があります。今にも雪が降りそうな状態のことだそうです。

雪催 (2).jpg



改心を誓う御空の雪催 粋田化石


「明日から真面目に働きますので、どうか晴天にして下さい。」と御空(みそら)に誓ったのに、空は今にも雪が降りそう。という句です。

雪催 (4).jpg



断崖の自白の果ての雪催 粋田化石


二時間でドラマが大団円を迎える少し前、断崖絶壁で犯人が自白をする場面です。わざとらしく白々しい感じがしますね。

雪催 (1).jpg


再放送犯人言われ雪催 粋田化石


サスペンスドラマの再放送を見ているときに隣で犯人を言われてしまい、寒々とした室内の様子です。


【 雪催 ゆきもよひ 】  (季冬)
雲が重く垂れ込め、今にも雪が降ってきそうな空模様。(角川合本俳句歳時記第四版)

人中や風船ゆきて雪催 秋元不死男

悪相の魚は美味し雪催 鈴木真砂女

綾取の橋が崩れる雪催 佐藤鬼房

薪割りの枕がとんで雪催 鷹羽狩行

斧嚙んで暮るる一幹雪もよひ 野中亮介

手の中に小さき手のある雪催 辻美奈子

画像はフリー素材です

nice!(8)  コメント(0) 

冬の神 [俳句]

今日は休日でした。気が向いたら映画に行こうと思っていましたが雨降りに何故か気持ちが挫(くじ)けて映画には行きませんでした。虫の知らせというものを信じる方なので、こういう日は気持ちに素直に従います。単に怠け者なのかもしれませんが。
午前中、録音してある落語を聞いていたら急に蕎麦が食べたくなりました。映画に行くのは挫けましたが、蕎麦屋にはいそいそと出かけていく自分が可笑しかったです。
店に入る前から暖かい蕎麦を食べると決めていて、注文したのは『鴨南蛮蕎麦』でした。暖かい蕎麦を勢いよく食べるのは冬ならではの快感です。

鴨南蛮 (1).JPG


鴨南蛮今日は感謝の冬の神 粋田化石


毎日何かに感謝しているという訳ではありませんが、今日は暖かい鴨南蛮そばを食べさせてくれた冬の神様に感謝です。どうもありがとうございます、合掌。

鴨南蛮 (2).JPG


【 冬 ふゆ 】  三冬(さんとう)  九冬(きうとう) 玄冬  冬帝(とうてい) 冬将軍  (季冬)
立冬(十一月八日ごろ)から、立春(二月四日ごろ)の前日までをいう。新暦ではほぼ十一、十二月と翌年の一月にあたるが、旧暦では十、十一、十二月。三冬は初冬・仲冬・晩冬、九冬は冬九旬(九十日間)のこと。玄冬は陰陽五行説で黒を冬に配するところから来た冬の異称。玄は黒の意。冬帝・冬将軍は寒さの厳しい冬を擬人化していう。(角川合本俳句歳時記第四版)

冬といふもの流れつぐ深山川 飯田蛇笏

天龍も行きとどこほる峡の冬 松本たかし

何といふ淋しきところ宇治の冬 星野立子

鳥の名のわが名がわびし冬侘し 三橋鷹女

中年や独語おどろく冬の坂 西東三鬼

冬に負けじ割りてはくらふ獄の飯 秋元不死男

冬すでに路標にまがふ墓一基 中村草田男

葡萄棚一望に透け甲斐の冬 秋山花笠

山河はや冬かがやきて位に即けり 飯田龍太

冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏

目つむりて己れあたたむ冬の旅 岡本眸

聖堂の木の香奪はれつつ冬へ 廣瀬直人

馬を見て馬に見られて冬の旅 矢島房利

白髪は絹の手ざはり母に冬 きちせあや

三冬や身に古る衣のひとかさね 西島麦南

玄冬の鷹鉄片のごときかな 斎藤玄

冬帝先づ日をなげかけて駒ヶ嶽 高浜虚子

冬将軍 竜飛崎(たつぴ)あたりを根城とす 小原啄葉

北壁に迫り来るもの冬将軍 鷹羽狩行

nice!(8)  コメント(0) 

シュークリーム [日記]

DSC_6229.JPG

東京に麻布十番というところがあり、そこにシュークリームの専門店があるのを知りました。そのことを娘に話したところ、東京に行った娘がそのシュークリームを買ってきてくれました。
DSC_6228.JPG

さて、そのシュークリームには色々種類があるらしく、私が食べたのはカスタードでした。カスタード・クリームはとろけるよう。また、シューにもキャラメルのような香りがあり、たいへん美味しく頂戴しました。
img032.jpg
DSC_6227.JPG


シュークリーム右手左は寒見舞 粋田化石


DSC_6230.JPG


食卓の上を見ると寒中見舞いの葉書が置いてあります。誰から届いたのだろうかと左手で葉書を持ち、読みながら右手でシュークリームを食いました。右手と口の周りをクリームでべとべとにしながらです。上五の“シュークリーム”が字余りです。また“右手”は句またがりになっています。

【 寒見舞 かんみまひ 】 寒中見舞  (季冬)
寒中に、親戚・友人などの安否を見舞うこと。喪中で年賀欠礼した人が、年賀状の返事として葉書を出したり、歳暮の品を贈る機を逸し、年が明けてから贈る場合などにこのことばを使うことが多い。↓暑中見舞(夏)(角川合本俳句歳時記第四版)

寒見舞古江の鯉をさげきたる 水原秋櫻子
しもふりの肉ひとつつみ寒見舞 上村占魚
藁 苞つと のまたも動くや寒見舞 平松竈馬
美しき富士を見たりと寒見舞 和田順子
煙草やめよと書き添へて寒見舞 片山由美子

nice!(11)  コメント(0) 

寒雀 かんすずめ [俳句]

雀は我々の一番身近にいる鳥ですね。
当然季語にもなっていて、『雀の子(春)』、『雀の巣(春)』、『寒雀(冬)』があります。今日はその中の一つ『寒雀 かんすずめ』の句です。
この時期、私の職場にも餌を求めて雀が沢山やって来ます。また、日当たりの良い場所に止まって羽毛を膨らませている姿は、何とも言えぬ愛らしさを感じます。

47656149.jpg


寒雀尾を振る犬の陰長し 粋田化石


寒雀だ、尻尾を振っている犬の陰が長いなー。という冬の夕方の句です。


fukura_suzume.png


電線が算盤(そろばん)めくや寒雀 粋田化石


膨らんだ雀が沢山止まっている電線が算盤(そろばん)のように見える。という句です。脅かして“ご破算”にしないようにしましょう。

【 寒雀 かんすずめ 】 冬雀 ふくら雀  (季冬)
雀はもっとも人家近くに棲む鳥である。特に冬場は餌を求めて庭先までやってくる。寒い時に羽の中に空気を入れて膨らんでいる姿をふくら雀という。↓雀の子(春) ・ 初雀(新年)(角川合本俳句歳時記第四版)

とび下りて弾みやまずよ寒雀 川端茅舎

寒雀身を細うして闘へり 前田普羅

寒雀ぱらぱら中にちがふ鳥 阿部みどり女

寒雀顔見知るまで親しみぬ 富安風生

筬(をさ)の音三つ目は間のび寒雀 殿村菟絲子

糸屑のくれなゐ咥へ寒雀 中尾寿美子

ネクタイの黒が集ひぬ寒雀 鈴木鷹夫

両頰に墨つけふくら雀かな 川崎展宏

立山に晴れのおよびぬ寒雀 榎本好宏

てのひらのごとき日向に寒雀 牧辰夫

佳き名つけふくらすずめを飼ひたしや 大石悦子

出棺待つ窪地にあそぶ冬すずめ 藤田直子


画像はフリー素材です

nice!(8)  コメント(0) 

大寒 [俳句]

今日は大寒でした。
千葉県東部地方では日中は穏やかに過ごせましたが、朝晩はやっぱり『寒』てすね。
千葉県に当然雪はありませんが、雪国ではどんな様子なのでしょうか。スキー場に雪が無いと伝え聞いたので、気にかかっていました。
さて、寒いと腹が減りますね。その空き腹を踏んで猫が通去っていきました。

bbe77b970e2e53f5e59204acc09e265e-300x300.jpg


大寒や空き腹を猫踏み越えて 粋田化石



【 大寒 だいかん 】  (季冬)
二十四節気の一つで、新暦一月二十日ごろにあたる。一年で最も気温が低い時期である。↓寒 (角川合本俳句歳時記第四版)

大寒の埃の如く人死ぬる 高浜虚子

大寒と敵(かたき)のごとく 対(むか)ひたり 富安風生

大寒の残る夕日を市の中 石橋秀野

大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太

大寒の竹のこゑきくゆふべなり 古賀まり子

大寒や日のいろ透けて鉋屑 木内彰志

大寒の紅き肉吊り中華街 池田秀水

nice!(8)  コメント(0) 

男はつらいよ [日記]

粋田化石は映画『男はつらいよ』が大好きです。実は私の姉も『男はつらいよ』が好きで、時々寅さん談議にふけります。いつだったか姉に全四十八作の中でどの作品が一番好きか尋ねたところ、「京マチ子が出るやつ。」と答えました。これは第十八作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』のことで、私が一番好きな作品と同じでした。感性が似ているのかもしれませんね。
その姉と私さらに妹を加えた三人で東京の柴又にある“寅さん記念館に”行こうという話が持ち上がっています。そこで、私が下見を兼ねて一月十八日に柴又へ行ってきました。
霙(みぞれ)という生憎の天候でしたが、沢山の人が訪れて来ていました。丁度、庚申の日で題経寺(帝釈天)の縁日ということもあったのかもしれません。そうそう、『男はつらいよ』の新作が公開されたのでその影響もあると思います。

柴又駅.JPG
京成柴又駅


柴又駅ホーム.JPG

柴又駅のホームです。向かって左が高砂方面のホームです。このホームで寅とさくらの数々の別れの名シーンが撮影されました。


寅.JPGさくら.JPG


駅前にあるブロンズ像です。寅さんの視線は柴又の街をとらえているのでしょうか。それとも妹さくらを見ているのでしょうか。さくらの視線の先は間違いなく兄寅次郎です。


柴又よ霙(みぞれ)が分かつ寅さくら 粋田化石


帝釈天参道2.JPG帝釈天参道.JPG

帝釈天の参道です。道の両脇から良いにおいが漂ってくるので誘惑に負けそうです。食べるのは参拝の後です。

題経寺.JPG
帝釈様、題経寺


鐘.JPG

鐘です。映画の中では寺男の源ちゃんが鐘をついていましたね。

昼食.JPG
待ちに待った

蓋を開けると.JPG
蓋を開けると


草だんご.JPG
食事の後は柴又名物草だんごです



“寅さん記念館”には題経寺から少し歩けば到着です。大勢の人が訪れていましたが、私のようにじっくりと見学している人は少ないようでした。なんと勿体無いことでしょう。ちなみに、じっくり見学したら一時間では足りないと思います。
寅さん映画の歴史、だんご屋“くるまや”の撮影セット、京成金町線の歴史等が展示してありました。音、映像、模型を使って分かりやすく丁寧に展示してありました。
兄妹で出かけた際にはまた報告させていただきます。

【 霙 みぞれ 】  霙(みぞ)る  (季冬)
雪混じりの雨で、シャーベット状で降ってくる。冬の初めや終わりに多い。明け方の霙は日中雪に変わりやすい。(角川合本俳句歳時記第四版)

nice!(8)  コメント(0) 

藪入 やぶいり [俳句]

今日は『藪入 やぶり』でした。
落語好きの方は聞いたことがある言葉かもしれませんが、そうでない方にはあまり聞きなれない言葉だと思います。どちらかと言うと死後に近い言葉かもしれません。
日本に『奉公』という制度があったころの言葉です。奉公人は一月十六日の藪入りと、七月十六日の後の藪入りの二日間しか自分の家に帰ることが許されなかったのだそうです。親元を離れている十代前半の少年少女が年に二回しか家に帰れないのですから、さぞかし辛かったことでしょう。ですから、家に帰ることが許された子供と、それを迎える親の気持ちは言葉では言い表せないものだったでしょう。
亀吉.png

落語の受け売りですがこんな句があります。

藪入や何にも言わず泣き笑い


親子の情が良く表れていますね

さて、私の句は
父親.jpg


薮入やこの息子にも他所の飯 粋田化石


我が息子にも少し他所(よそ)の飯を食わせて苦労をさせなければいけないと、藪入りの日に思いました。おそらく、私の父も曽(かつ)ては同じことを考えていたと思います。


【 藪入 やぶいり 】  (季新年)
一月十六日。この日は奉公人や他家にある者は仕事を休み、自由に外出できた。七月十六日も藪入りだが、後の藪入りといって区別する。かつて奉公人の公休日は一年にこの二日しかなく、一番楽しい日であった。仏教では 閻魔えんま の 賽日さいにち で、獄卒も休業。「地獄の釜の 蓋ふた もあく」といわれる。(角川合本俳句歳時記第四版)

やぶ入の寝るやひとりの親の側 太祇

藪入のをとめさびたる簪かな 西島麦南

藪入の母が焚く炉の煙たさよ 高野素十

藪入といふなつかしき日なりけり 細川加賀

藪入りのいづこも屋根の雪卸す 川上季石

藪入の新井薬師に凧あがる 皆川盤水

藪入や磐梯白き裾を展べ 斎藤節子

藪入りの暦に朝日当りけり 鈴木節子

nice!(9)  コメント(0) 

小正月 [俳句]

今日は『小正月 こしょうがつ』でした。
小正月は元日の大正月に対する呼び名だそうです。しかし、元日から十五日過ぎているので目出度さも元日の半分くらいでしょうか。我が家でも特に小正月の祝いをするわけでもなく名前ばかりの小正月です。

dondoyaki_yaku.png


我が方では左義長の『どんど焼き』は行われていますので、かろうじて小正月の存在を覚えている感じです。どんど焼きがなかったら忘れてしまうかもしれません。

DSC_0027_3.JPG


雄子牛目出度さもまた小正月 粋田化石


乳牛がお産をしました。雌の子どもを産んでほしかったのですが生まれたのは雄。まずは目出度いのですが、雄だったので目出度さも半分くらいです。それを小正月に例えて詠んでみました。

【 小正月 こしやうぐわつ 】  望正月(もちしやうぐわつ) 花正月  (季新年)
一月十五日を中心にして祝われる正月。元日の大正月に対する呼び名。望(満月)の日を正月として祝った古い時代の名残で、餅を 搗(つ)いたり団子を作って祝う習慣が残っている。小正月には 削掛(けずりかけ)や餅花を飾って農作物の豊作を祈り、 成木責(なりきぜめ)・ 嫁叩(よめたたき)など地方によってさまざまな行事が行われる。また、外した注連飾などを焚き上げる左義長も各地で行われる。東北地方では小正月から月末までを花正月といった。↓鳥追 ・ 餅花 ・ 成木責 ・ 土竜打(もぐらうち) ・ 左義長 (角川合本俳句歳時記第四版)

小正月寂然として目をつむる 飯田蛇笏

山川に流るゝ菜屑小正月 清原枴童

日を浴びてさざめく樟や小正月 米谷静二

小正月そそのかされて酔ひにけり 中村苑子

蒔絵筆ぎつしり壺に小正月 井上雪

浪華津(なにはづ)の白浪見たり小正月 桂信子

煮こんにやくつるりと食へば小正月 松本旭

味噌漬の鮭の赤き身小正月 菅原多つを

時かけて生木燃えだす小正月 廣瀬直人

木挽(こびき)師の煮〆を食うて小正月 斎藤夏風

小正月路傍の石も祀らるる 鍵和田秞子

渓音に乾く産着や花正月 平井さち子

nice!(7)  コメント(0) 

成人の日 [俳句]

昨日13日は成人の日でした。

25867007250.jpg


そういえば一月の第二月曜日が成人の日なのですね。私には未だに一月十五日の気がしてなりません。
というと、成人式に対する思い入れが強いと思われるかもしれませんが、実はそうでもなくてうん十年前の成人式は欠席しています。理由は“なんとなく”です。出たいとは思わなかったので両親にもそう伝えました。両親もまた「出ろ」とは言わなかったので、安心して欠席したのを覚えています。
ただ、成人式の写真を写していないので、私にも成人の日が来たという証拠は何一つ残っていません。

twenty-03.jpg



にょきにょきと成人の日の大人かな 粋田化石


成人の日に、着なれない服を着た新造の大人たちがにょきにょきと生えているよう並んでいる、という句です。


【 成人の日 せいじんのひ 】 成人式  (季新年)
一月の第二月曜日。国民の祝日の一つで、二十歳になった青年男女を祝い励ます儀式が行われる。平成十一年までは一月十五日だった。(角川合本俳句歳時記第四版)

道に弾む成人の日の紙コップ 秋元不死男

成人の日の華やぎにゐて孤り 楠本憲吉

成人の日の裏富士のうつくしき 勝又一透

成人の日の晴着着て墓参り 清崎敏郎

足袋きよく成人の日の父たらむ 能村登四郎

帆柱に成人の日の風鳴れり 原田青児

成人の日をくろがねのラッセル車 成田千空

成人の日の四五人や野川越す 高梨忠一

成人の日の献血の列にをり 山口素基

色あふれ成人の日の昇降機 斎藤道子

成人式済みたる男女腕をくみ 里見宜愁


画像はフリー素材です

nice!(9)  コメント(2) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。