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大晦日 [俳句]

2021年大晦日
千葉県東部地方は朝方に雪が降っていました。もちろん積もるということはなく、穏やかな大晦日になりました。
本年最後の『だくだく日記』は最近詠んだ俳句で締めようと思います。


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寅さんの後にと誓ふ春支度 粋田化石


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ぬるま湯へ万年筆の大晦日 粋田化石


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年のくれ積読(つんどく)の背の褪(さ)め行きぬ 粋田化石


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霜柱ぬるき音する牛の尿(しと) 粋田化石


皆さま一年間有難うございました 良いお年をお迎えください
来年もよろしくお願いいたします
粋田化石

【年用意 としようい】  春支度(はるじたく)  (季冬)
新年を迎えるためにいろいろ支度を整えること。家の中の煤掃(すすはき)・畳替、外回りの繕い、正月用の買い物、松飾や注連飾(しめかざり)の手配、年木取(としぎとり)、春着縫いなどがそれに当たる。(角川合本俳句歳時記第四版)
小半日山の出入や年用意 方水
年用意靄あたたかき日なりけり 久保田万太郎
木がくれにうぶすなともる年用意 伊東月草
年用意てのひらつかふこと多し 小原啄葉
山国にがらんと住みて年用意 廣瀬直人
夢殿へ白砂敷き足す年用意 山田孝子 
子らの間に坐つて居りて春支度 長谷川かな女

【大晦日 おほみそか】  大三十日(おほみそか)   大年(おほとし)   大年(おほどし)  大つごもり  (季冬)
十二月の末日。旧暦・新暦いずれにも用いられる。晦日もつごもり(月隠 つきごもりの変化したもの)も月の末日の意で、一年の終わりであるため、大の字を添えて大晦日・大つごもりという。(角川合本俳句歳時記第四版)
大晦日定なき世の定かな 西鶴
父祖の地に闇のしづまる大晦日 飯田蛇笏
漱石が来て虚子が来て大三十日 正岡子規
大年の夕陽当れる東山 五十嵐播水
大年の法然院に笹子ゐる 森澄雄
大歳の暮れてゆく山仰ぎけり 茨木和生
大年の夢殿に火のにほひかな 井上弘美
またたきておほつごもりの燈なりけり 七田谷まりうす

【年の暮 としのくれ】  歳暮(さいぼ)   歳暮(せいぼ)   歳晩(さいばん)   歳末(さいまつ)  年末 年の瀬 年の果  年(とし)暮(く)る 年詰まる  (季冬)
一年の終わり。街は歳末売出しで賑わい、家庭では新年を迎える用意に忙しい。すべてが慌ただしく、活気を帯びてくる。(角川合本俳句歳時記第四版)
年暮ぬ笠きて草鞋(わらぢ)はきながら 芭蕉
旧里(ふるさと)や臍(へそ)の緒に泣く年の 芭蕉
去ね去ねと人にいはれつ年の暮 路通
ともかくもあなた任せのとしの暮 一茶
いさゝかの金欲しがりぬ年の暮 村上鬼城
藁苞を出て鯉およぐ年の暮 宇佐美魚目
はらわたの紆余曲折を年の暮 中原道夫
山が山押して夜の来る年の暮 和田耕三郎
思はざる道に出でけり年の暮 田中裕明
歳晩やひしめく星を街の上 福永耕二
歳晩や淀の川波岸より暮る 貞弘衛
歳晩の水を見てゐる橋の上 加藤耕子 
年の瀬や浮いて重たき亀の顔 秋元不死男
山の背に雲みな白し年の果 原裕
町工場かたことと年暮るるかな 星野石雀
喪の花輪すぐにたたまれ年つまる 菖蒲あや

【霜柱 しもばしら】  (季冬)
地中の水分が寒さのため凍って、細い柱状の固まりになり地表の土を押し上げるもの。関東ローム層のような湿気を含む柔らかな土質に生じる。日蔭の気温が低いところでは、日中も溶けず何日も重なって成長し、数十センチにも及ぶものもある。(角川合本俳句歳時記第四版)
霜柱倒れつつあり幽かなり 松本たかし
霜柱伸び霜柱押し倒す 右城暮石
霜柱俳句は切字響きけり 石田波郷
霜柱はがねのこゑをはなちけり 石原八束
戦没の友のみ若し霜柱 三橋敏雄
石ひとつすとんと沈め霜柱 石田勝彦
かつて見しごとき白昼霜柱 田中裕明
あたらしき墓のまはりの霜柱 藺草慶子


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