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五月晴 [俳句]

久しぶりに外食をしました。
思いきり味の濃いラーメンを食べてきました。とても幸せ。
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千葉県東部地方は午後から激しい雨が降りました。でも、今日は『五月晴 さつきばれ』について書きます。
多くの人が勘違いしているようですが、五月晴は新暦五月の晴れのことではありません。旧暦の五月の晴れ間、つまり梅雨晴のことなんですね
ちなみに、インターネットで五月晴の画像を検索したら鯉のぼりの画像が沢山出てきました。
似たような言葉で『五月雨 さみだれ』がありますが、やはり旧暦五月の雨のことをさします。早い話が梅雨ですね。

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社会的距離に戸惑う五月晴 粋田化石


傘をさしていれば簡単に社会的距離をとることができますが、傘がないと難しい


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じゃん拳で子供ら帰る梅雨晴間 粋田化石


梅雨晴れにじゃん拳をしながら帰って行く子供たちの様子です



夏 天文
【 梅雨晴 つゆばれ 】  五月晴(さつきばれ)  梅雨晴間
梅雨の最中にも晴れ上がることがある。五月晴も同じ意味であり、入梅前の新暦五月の好天として使うのは誤用。梅雨晴は梅雨が明けて晴天が続くようになることをいう場合もある。↓梅雨 (角川合本俳句歳時記第四版)

朝虹は伊吹に凄し五月晴れ 麦水

抱きおこす葵の花やさ月ばれ 蝶夢

梅雨晴の飛瀑芯までかがやけり 野澤節子

かしは手の二つ目は澄み五月晴 加藤知世子

飛驒の子の花いちもんめ梅雨晴間 松崎鉄之介

梅雨晴間焼むすびなど匂はせて 星野麥丘人

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花言葉 [俳句]

紫陽花(あじさい)はいくつも花言葉を持っています。また、その色によっても花言葉は異なるようです。紫陽花は時期によって花の色が変化するからでしょうか、“浮気”、“移り気”という花言葉はは有名ですね。

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紫陽花や十五年目の亀洗う 粋田化石


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白紫陽花を見ながら、縁あって我が家にやって来て15年になる亀を洗いました。あと9,985年ほど生きる予定の亀です。
ちなみに、白紫陽花の花言葉は“寛容”です


額(がく)の花は紫陽花に似ている花です。
紫陽花のように少し悪い心象の花言葉を与えられているのかと思い調べてみたところ、額の花の花言葉は“謙虚”でした。ちょっと安堵です。

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花言葉知ればも一度額の花 粋田化石


花言葉の『謙虚』を知ってからもう一度額の花を見るという句です。そういう目で見るとなるほど”謙虚”です。

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夏 植物
【 紫陽花 あぢさゐ 】  四葩(よひら) 七変化(しちへんげ)
ユキノシタ科の落葉低木の花。高さ一・五~二メートル。 額がく 紫陽花を原形とする日本原産種といわれる。「四葩」の名は、花びらのように見える四枚の 萼がく の中心に細かい粒のような花をつけることから。花色は酸性土では青、アルカリ性土では赤紫色を呈する。咲き始めは白で、しだいに色が変化することから「七変化」ともいう。「紫陽花に秋冷いたる信濃かな 杉田久女」は、秋になっても美しく咲き残っている紫陽花を詠んだもの。↓額の花 (角川合本俳句歳時記第四版)
あぢさゐや仕舞のつかぬ昼の酒 乙二
紫陽花の末一色となりにけり 一茶
紫陽花や白よりいでし浅みどり 渡辺水巴
紫陽花のあさぎのまゝの月夜かな 鈴木花蓑
あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ 橋本多佳子
あぢさゐの藍をつくして了りけり 安住敦
あぢさゐや軽くすませる昼の蕎麦 石川桂郎
紫陽花や家居の腕に腕時計 波多野爽波
あぢさゐの毬は一つも地につかず 上野章子
紫陽花剪るなほ美(は)しきものあらば剪る 津田清子
あぢさゐの色をあつめて虚空とす 岡井省二
あぢさゐのどの花となく雫かな 岩井英雅
兄亡くて夕刊が来る濃紫陽花 正木ゆう子
由良の門に水銀(みずがね)色の四葩かな 小林貴子


夏 植物
【 額の花 がくのはな 】  額(がく)紫陽花(あぢさゐ)
ユキノシタ科の落葉低木。紫陽花の花のように毬(まり)状にならず、枝先の散房花序にたくさんの小花をつけ、周囲を萼(がく)である装飾花が取り巻く。花色は青紫・紫・淡紅、まれに白。暖地の海岸沿いに自生し、古くから園芸化されている。↓紫陽花 (角川合本俳句歳時記第四版)
橋ありて水なかりけり額の花 高橋淡路女
あけがたや額の咲くより空ひくゝ 石橋秀野
数々のものに離れて額の花 赤尾兜子
水よりも土が濡れゐて額咲けり 草間時彦
かなしみのはづれより咲く額の花 平井照敏
いつまでも一人娘や額の花 柴原保佳
谷深く日のとどきゐて額の花 江中真弓

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梅雨入り [俳句]

いよいよ梅雨入りですね。
実際の梅雨入りは、先ずは梅雨入りしたであろうと思われる時機に「みられる」と発表され、その後に検証され正式な梅雨入りの日として発表されるようです。
実際の梅雨入りではなく、季語の『入梅』は新暦の六月十一日ころを指します。
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腰痛が梅雨入を先に「みられる」と 粋田化石


私には長く付き合っている腰痛が居るので、その腰痛が先に「梅雨入りとみられる。」と教えてくれます。俳句でも台詞とわかるようにするには台詞の言葉を「」に入れます

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夏 時候
【 入梅 にふばい 】  梅雨入(ついり)  梅雨に入る 梅雨きざす
太陽の黄経が八〇度に達したときをいい、新暦六月十一日ごろにあたる。しかし実際にこの日から梅雨が始まるわけではなく、各地の過去の平年値を見ても六月初旬から中旬にかけて梅雨に入ることが多い。↓梅雨 (角川合本俳句歳時記第四版)

焚火してもてなされたるついりかな 白雄

入梅や蟹かけ歩く大座敷 一茶

大寺のうしろ明るき梅雨入かな 前田普羅

桑の木に桑茸生ふるついりかな 西山泊雲

みづなら林ぬけて信濃の梅雨入かな 村沢夏風

鱒の子に雨の輪ひらく梅雨入かな 石田いづみ

大津絵の墨色にじむ梅雨入りかな 宇多喜代子

世を隔て人を隔てゝ梅雨に入る 高野素十

凡の墨すりて香もなし梅雨の入 及川貞

梅雨に入るいく日も雨降りし後 山口波津女

枕木を叩くつるはし梅雨に入る 細見綾子

水郷の水の暗さも梅雨に入る 井沢正江

樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城

童謡(わらべうた)かなしき梅雨となりにけり 相馬遷子


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無念 [エッセー]

横田めぐみさんのお父様である滋さんが亡くなられたました。その訃報を耳にしたときには遣る瀬無い気持ちでいっぱいいなりました。
妻である早紀江さんも悔しかったことでしょう。しかし、拉致されていると判っていながら、とうとう娘さんに会えなかった滋さんが何より悔しかったことと思います。

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暗雲の晴れぬ芒種の玄界灘 粋田化石


玄界灘は日本と朝鮮半島の間の海です。訃報を聞いたのが丁度芒種(ぼうしゅ)でしたので、こんな句になりました。


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父母の無念を砕く夏怒涛 粋田化石


めぐみさんのご両親はさぞかしご無念だったことでしょう。滋さんのご冥福をお祈り申し上げます。


夏 時候
【 芒種 ばうしゆ 】
二十四節気の一つで、新暦六月五日ごろにあたる。 禾(のぎ)のある穀物を 播(ま)く時期の意から。このころから田植えが始まり、天候は梅雨めいてくる。(角川合本俳句歳時記第四版)

ささやくは芒種の庭の番(つがひ)鳩 石原八束
芒種なり水盤に粟蒔くとせむ 草間時彦
芒種はや人の肌さす山の草 鷹羽狩行
朝粥や芒種の雨がみづうみに 秋山幹生

夏 地理
【 夏の海 なつのうみ 】 夏の波  夏怒濤(なつどたう) 夏の浜 夏の岬 青岬
夏の海はひときわ目に鮮やかで、力強く感じられる。海岸は海水浴客で賑わい、健康的で躍動感があふれる。

島々や千々に砕けて夏の海 芭蕉
熊野路やわけつつ入れば夏の海 曾良
長濤を以て音なし夏の海 三橋敏雄
一つづつ扉が開いて夏の濤 石田勝彦
乳母車夏の怒濤によこむきに 橋本多佳子
青岬遠くで別の汽笛鳴る 石崎素秋

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