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啓蟄 けいちつ [俳句]

今年は三月五日が啓蟄でした。啓蟄は二十四節気の一つで、冬ごもりをしていた虫が地中から這い出てくるころを言います。

今回は『啓蟄』の句です。

啓蟄 (2).png


啓蟄や外はマイクロシーベルト 粋田化石


シーベルト(Sv)は被曝による人体への影響の度合いを表す単位です。
虫たちが冬ごもりをしている地中の外には放射能という句です。今年は東日本大震災大震災から十年目にあたりますので、こんな句を詠んでみました。


啓蟄 (1).png


啓蟄や這い出る穴も無き夕べ 粋田化石


虫には啓蟄でも、私には這い出す穴も無いという句です。


啓蟄 (1).jpg


命の火啓蟄に消ゆ松の菰(こも)粋田化石


松の木の腹巻き(菰巻き・藪巻)を燃やしている映像を見ました。あの中にはもしかしたら松食虫の幼虫がいて、蠢きだす前に灰になっているかもしれません。
ちなみに、菰巻きは冬の季語です。


【 啓蟄けいちつ 】  (季春)
二十四節気の一つで、新暦三月五日ごろにあたる。暖かくなってきて、冬眠していた蟻・地虫・蛇・蛙などが穴を出るころとされる。↓蛇穴を出づ ・ 地虫穴を出づ (角川合本俳句歳時記第四版)
啓蟄のつちくれ躍り掃かれけり 吉岡禅寺洞
啓蟄の雲にしたがふ一日かな 加藤楸邨
啓蟄の鳥語すずろに美しく 後藤夜半
啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる 山口青邨
啓蟄の蛇に丁々斧こだま 中村汀女
水あふれゐて啓蟄の最上川 森澄雄\
蟄や墓原雨を吸ひて飽かず松崎鉄之介
啓蟄の土著けて蟻闘へり 鷹羽狩行

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