一月七日 [俳句]
一月七日は五節句の一つである人日(じんじつ)でした。ちなみに五節句とは、人日(じんじつ)正月7日・上巳(じょうし)3月3日・端午(たんご)5月5日・七夕(しちせき)7月7日・重陽(ちょうよう)9月9日の五日です。また、正月の一日から七日までの七日間はそれぞれ、元日は鶏日(けいじつ)・二日は狗日(くじつ)・三日は猪日(ちょじつ)・四日は羊日(ようじつ)・五日は牛日(ぎゅうじつ)・六日は馬日(ばじつ)・七日は人日(じんじつ)と呼ばれています。
松の内も終わり様々な正月用品も最後はゴミになりました、という句です
その一月七日に俳優のシドニー・ポワチエが亡くなりました。映画『野のユリ』で黒人として初めてアカデミー主演男優賞を受賞した方です。
七種はもちろん新年の季語です。『招かれざる客』(スタンリー・クレイマー監督 1967年)というポワチエが出演した映画の題名を拝借しました。七種は日本の風習ですが、『招かれざる客』の英語の題名は『Guess Who’s Coming to Dinner』ですので、まんざら縁がないこともなさそうです。
【人日 じんじつ 】 人(ひと)の日(ひ) (季新年)
一月七日。江戸時代は五節句の一つとされた。古来、宮中では白馬(あおうま)の節会(せちえ)が行われ、七種粥を食べて祝った。「人日」は中国前漢時代に、七日に人を占ったことからの名。↓七日 ・ 七種 (角川合本俳句歳時記第四版)
人の日と思へばをしき曇りかな 梅室
人の日の古きことする伏家かな 蕉雨
人日の人影さして竹そよぐ 菅裸馬
人日のこころ放てば山ありぬ 長谷川双魚
人日の女ばかりの集りに 星野立子
人日の椀に玉子の黄味一つ 野澤節子
人の世に人日といふ日のありぬ 粟津松彩子
人日や江戸千代紙の紅づくし 木内彰志
耳さとくゐて人日の雑木山 菅原鬨也
人日の納屋にしばらく用事あり 山本洋子
人日の暮れて眼鏡を折り畳む 岩城久治
人日の赤き実こぼす床の花 櫨木優子
【七種 ななくさ】 七草 (季新年)
五節句の一つ、七種の節句の略。正月七日に行われ七種粥(がゆ) を食べる。↓春の七草 (角川合本俳句歳時記第四版)
七くさや袴の紐の片むすび 蕪村
七種の過ぎたる加賀に遊びけり 深見けん二
七種や沖より雨の強まり来 貞弘衛
七草の土間の奥より加賀言葉 井上雪
波の上に七草の雨のこりけり 大峯あきら
七草や空うつくしき飛驒の国 遠藤若狭男
七草や霙まじりの風も吹き 対中いづみ
川見つつゆくななくさの雨の中 岡本眸
画像はフリー素材です
人日や慶び末のごみ袋 粋田化石
松の内も終わり様々な正月用品も最後はゴミになりました、という句です
その一月七日に俳優のシドニー・ポワチエが亡くなりました。映画『野のユリ』で黒人として初めてアカデミー主演男優賞を受賞した方です。
七種の空へポワチエ招かれて 粋田化石
七種はもちろん新年の季語です。『招かれざる客』(スタンリー・クレイマー監督 1967年)というポワチエが出演した映画の題名を拝借しました。七種は日本の風習ですが、『招かれざる客』の英語の題名は『Guess Who’s Coming to Dinner』ですので、まんざら縁がないこともなさそうです。
【人日 じんじつ 】 人(ひと)の日(ひ) (季新年)
一月七日。江戸時代は五節句の一つとされた。古来、宮中では白馬(あおうま)の節会(せちえ)が行われ、七種粥を食べて祝った。「人日」は中国前漢時代に、七日に人を占ったことからの名。↓七日 ・ 七種 (角川合本俳句歳時記第四版)
人の日と思へばをしき曇りかな 梅室
人の日の古きことする伏家かな 蕉雨
人日の人影さして竹そよぐ 菅裸馬
人日のこころ放てば山ありぬ 長谷川双魚
人日の女ばかりの集りに 星野立子
人日の椀に玉子の黄味一つ 野澤節子
人の世に人日といふ日のありぬ 粟津松彩子
人日や江戸千代紙の紅づくし 木内彰志
耳さとくゐて人日の雑木山 菅原鬨也
人日の納屋にしばらく用事あり 山本洋子
人日の暮れて眼鏡を折り畳む 岩城久治
人日の赤き実こぼす床の花 櫨木優子
【七種 ななくさ】 七草 (季新年)
五節句の一つ、七種の節句の略。正月七日に行われ七種粥(がゆ) を食べる。↓春の七草 (角川合本俳句歳時記第四版)
七くさや袴の紐の片むすび 蕪村
七種の過ぎたる加賀に遊びけり 深見けん二
七種や沖より雨の強まり来 貞弘衛
七草の土間の奥より加賀言葉 井上雪
波の上に七草の雨のこりけり 大峯あきら
七草や空うつくしき飛驒の国 遠藤若狭男
七草や霙まじりの風も吹き 対中いづみ
川見つつゆくななくさの雨の中 岡本眸
画像はフリー素材です
DVD化 [俳句]
昨年の九月六日に亡くなったジャン=ポールベ・ルモンド。
最近になって出演映画のBlu-ray discが何枚か発売されています。そして先日、日本ではまだDVD化されていなかった『あの愛をふたたび』(クロード・ルルーシュ監督 1969年)の国内初DVDが発売されました。
ベルモンドは自らのプロダクション「セリトプロ」で作品を管理していて、上映やdisc化のための権利許諾が難しく、またそのための料金が高かったのだそうです。フランスでは大スターのベルモンドも日本では忘れられ気味ですので、売れるかどうか分からない作品に高い料金は払えないのかもしれませんね。また『あの愛をふたたび』の監督クロード・ルルーシュも同様に、自ら設立したプロダクションである「フィルム13」で作品を管理させているそうなので、やはりdisc化が難しかったのかもしれません。
ただ、理由は分かりませんがこうしてベルモンドが出演した作品がBlu-ray化・DVD化されるのは嬉しいかぎりです。
三日が新年の季語で一月三日のことです。Jeanne Moreauはジャンヌ・モローのこと。『雨のしのび逢い』(ピーター・ブルック監督 1960年 白黒作品)の主演女優です。
ジャンヌ・モローだ白黒に更けてゆく一月三日だなー、という句です。
ベベルはベルモンドの愛称。
Blu-rayでベルモンドの作品を見て冬の一日(ひとひ)が終わる、という句です。
【三日 みつか】 猪日(ちよじつ) (季新年)
一月三日。官公庁などはこの日まで業務を休むことが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)
三日はや雲おほき日となりにけり 久保田万太郎
黒猫の眼が畑にをる三日かな 村上鬼城
誰も来ぬ三日や墨を磨り遊ぶ 殿村菟絲子
石舞台めぐる三日の畦匂ふ 古賀まり子
三日はや汐木焚く炎を高く上げ 児玉輝代
三日はや釘箱さがす月あかり 中山純子
母のもの仰山干して三日かな 山尾玉藻
三日はや木綿のやうな風とゐる 野木桃花
無為にして首回したる猪日かな 矢島渚男
『モラン神父』Blu-ray
最近になって出演映画のBlu-ray discが何枚か発売されています。そして先日、日本ではまだDVD化されていなかった『あの愛をふたたび』(クロード・ルルーシュ監督 1969年)の国内初DVDが発売されました。
『あの愛をふたたび』DVD
ベルモンドは自らのプロダクション「セリトプロ」で作品を管理していて、上映やdisc化のための権利許諾が難しく、またそのための料金が高かったのだそうです。フランスでは大スターのベルモンドも日本では忘れられ気味ですので、売れるかどうか分からない作品に高い料金は払えないのかもしれませんね。また『あの愛をふたたび』の監督クロード・ルルーシュも同様に、自ら設立したプロダクションである「フィルム13」で作品を管理させているそうなので、やはりdisc化が難しかったのかもしれません。
『いぬ』Blu-ray
ただ、理由は分かりませんがこうしてベルモンドが出演した作品がBlu-ray化・DVD化されるのは嬉しいかぎりです。
『雨のしのび逢い』Blu-ray
Jeanne Moreau白黒に更く三日かな 粋田化石
三日が新年の季語で一月三日のことです。Jeanne Moreauはジャンヌ・モローのこと。『雨のしのび逢い』(ピーター・ブルック監督 1960年 白黒作品)の主演女優です。
ジャンヌ・モローだ白黒に更けてゆく一月三日だなー、という句です。
『暗くなるまでこの恋を』Blu-ray
Blu-rayベベルに一日果つる冬 粋田化石
ベベルはベルモンドの愛称。
Blu-rayでベルモンドの作品を見て冬の一日(ひとひ)が終わる、という句です。
【三日 みつか】 猪日(ちよじつ) (季新年)
一月三日。官公庁などはこの日まで業務を休むことが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)
三日はや雲おほき日となりにけり 久保田万太郎
黒猫の眼が畑にをる三日かな 村上鬼城
誰も来ぬ三日や墨を磨り遊ぶ 殿村菟絲子
石舞台めぐる三日の畦匂ふ 古賀まり子
三日はや汐木焚く炎を高く上げ 児玉輝代
三日はや釘箱さがす月あかり 中山純子
母のもの仰山干して三日かな 山尾玉藻
三日はや木綿のやうな風とゐる 野木桃花
無為にして首回したる猪日かな 矢島渚男
明けましておめでとうございます [俳句]
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
家族に駅伝好きがいて、折角の目出度い雑煮の席も駅伝が気になるようです。
【雑煮 ざふに】 雑煮祝ふ 雑煮餅 雑煮椀(ざふにわん) (季新年)
雑煮は土地によってさまざまであるが、年越しの夜、神に供えたものを下ろして食べた風習の名残であろう。雑煮の餅は関西では主に丸餅を使い、焼かずに煮るが、関東では切り餅を使い、焼いてから汁の中に入れることが多い。また餅を煮るのに、関西では汁は味噌仕立て、関東ではすまし仕立てが主であるが、必ずしも一定ではなく、小豆(あずき)汁を用いる地方もある。具は大根・人参・ 牛蒡(ごぼう)・里芋など。(角川合本俳句歳時記第四版)
立山の日の出を祝ふ雑煮かな 金尾梅の門
浦人の雑煮の膳にさす日かな 岡本癖三酔
丸餅のどかつと坐る雑煮かな 草間時彦
井戸神の遠くに見ゆる雑煮かな 斎藤夏風
人参の捻(ね)ぢ梅うれし京雑煮 高島筍雄
空たかき風ききながら雑煮膳 臼田亜浪
鮞(はららご)のみちのくぶりの雑煮祝ふ 山口青邨
めでたさも一茶位や雑煮餅 正岡子規
朱の椀に白妙一つ雑煮餅 粟津松彩子
父の座に父居るごとく雑煮椀 角川春樹
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本年もよろしくお願いいたします
駅伝がめでたさ攫(さら)ふ雑煮かな 粋田化石
家族に駅伝好きがいて、折角の目出度い雑煮の席も駅伝が気になるようです。
【雑煮 ざふに】 雑煮祝ふ 雑煮餅 雑煮椀(ざふにわん) (季新年)
雑煮は土地によってさまざまであるが、年越しの夜、神に供えたものを下ろして食べた風習の名残であろう。雑煮の餅は関西では主に丸餅を使い、焼かずに煮るが、関東では切り餅を使い、焼いてから汁の中に入れることが多い。また餅を煮るのに、関西では汁は味噌仕立て、関東ではすまし仕立てが主であるが、必ずしも一定ではなく、小豆(あずき)汁を用いる地方もある。具は大根・人参・ 牛蒡(ごぼう)・里芋など。(角川合本俳句歳時記第四版)
立山の日の出を祝ふ雑煮かな 金尾梅の門
浦人の雑煮の膳にさす日かな 岡本癖三酔
丸餅のどかつと坐る雑煮かな 草間時彦
井戸神の遠くに見ゆる雑煮かな 斎藤夏風
人参の捻(ね)ぢ梅うれし京雑煮 高島筍雄
空たかき風ききながら雑煮膳 臼田亜浪
鮞(はららご)のみちのくぶりの雑煮祝ふ 山口青邨
めでたさも一茶位や雑煮餅 正岡子規
朱の椀に白妙一つ雑煮餅 粟津松彩子
父の座に父居るごとく雑煮椀 角川春樹
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