SSブログ

モスラの極彩色 [日記]

モスラCD (2).jpg


 「午前十時の映画祭11」にて1961年公開の怪獣映画『モスラ 4Kデジタル・リマスター版』を見てきました。制作:田中友幸、監督:本多猪四郎、制作費:2億円
 「午前十時の映画祭11」は“特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」”の第十一弾です。

モスラCD (1).jpg


 実は『モスラ』には本編が始まる前に音楽が流れる所謂(いわゆる)“序曲”が存在していて(市販されているDVDでは序曲は削除されています)、今回公開された4Kデジタル・リマスター版『モスラ』には1分ほど(CDの解説文によると1分4秒)の序曲がありました。そのことからも、この映画に込めた製作者の熱意と映画の格調の高さが分かります。
 音楽を担当したのは古関裕而。氏が作曲した曲で、劇中“小美人”と呼ばれる双子の妖精(ザ・ピーナッツの伊藤エミ・伊藤ユミ)が歌う「モスラの歌」は有名ですね。映画『モスラ』から感じる主題は「核実験廃止」・「世界平和」の二つでした。そういった意味からも、劇中に流れる古関裕而の心の琴線に触れる曲は非常に効果的であったと感じました。

モスラCD (3).jpg


 原作は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の純文学畑の小説家三人を起用。フランキー堺の演ずる新聞記者「福田善一郎」はこの三人の名前の合成だそうです。
 撮影に使用されたモスラの幼虫の造形には人間が8~9人入って芝居をする巨大な物もあったそうで、1954年公開の『ゴジラ』でゴジラを演じていた中島春雄氏がモスラの前足を演じていたそうです。ちなみに、俳優としての中島春雄氏は『モスラ』では日本に上陸したモスラから逃げまどう住民を演じておられました。
 その巨大なモスラに破壊される街のミニチュアセットもまた従来のものよりは大きく作られていたために、現実感のある迫力の映像でありました。TOHO SCOPPのワイド画面もまた迫力の映像に一役買っていました。
 今回改めて思いましたが私はミニチュアセットの特撮が好きです。

モスラCD (4).jpg


 「有難う皆さん私たちは世界の人たちが平和に暮らせる日の来るのを祈ります。」これは小美人の妖精二人が最後に言う台詞です。

行く年のモスラ再び極彩色 粋田化石


暮れて行く年にモスラを再びその美しき極彩色よ、という句です


【行く年 ゆくとし 】  年(とし)逝(ゆ)く 年歩む 年流る 年送る  (季冬)
暮れてゆく年、また、年末をいう。一年を振り返るしみじみとした思いが感じられる。(角川合本俳句歳時記第四版)
行く年やわれにもひとり女弟子 富田木歩
ゆく年の硯を洗ふ厨かな 三好達治
行年の浅草にあり川を見て 田川飛旅子
船のやうに年逝く人をこぼしつつ 矢島渚男
年を以て巨人としたり歩み去る高浜虚子

nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

撮影会母へ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。