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怪獣のすみか [俳句]

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東京にある読売ジャイアンツの本拠地“東京ドーム”の隣に“ドームシティ”というのがあります。そこで開催されている怪獣の催し『怪獣のすみか』に行ってきました。子どもが育ってからは怪獣の催しにはすっかり足が遠のいていて、本当に久しぶりの怪獣です。

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ムクムク
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ピグモン


内容は、怪獣に関する展示に音と光と映像による演出を合わせた素晴らしいものでした。詳しくは『怪獣のすみか』で検索してみてください。

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エレキング
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レッドキング



初電車幼子と見し怪獣を 粋田化石



初電車が新年の季語です。子供が小さかった頃に一緒に見た怪獣を見るために初電車に乗る、という句です。子供が小さかった頃は正月休みの怪獣やウルトラマンの催しには欠かさず行っていたのを思い出します。



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メトロン星人
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バルタン星人
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シーボーズ




【 乗初 のりぞめ 】 初乗 初電車 初飛行  (季新年)
新年になって初めて電車・自動車・船・飛行機などの乗り物に乗ることをいう。(角川合本俳句歳時記第四版)

乗初や酒くみかはす 蜑あま 小舟 左文

無人駅へも人こぼす初電車 阿波野青畝

空席もちらほらあるや初電車 波多野爽波

初電車子の恋人と乗り合はす 安住敦

おとなしく人混みあへる初電車 武原はん

すぐ次の駅までのこと初電車 下村梅子

初電車待つといつもの位置に立つ 岡本眸

初電車膝にたもとの花かさね 佐藤和枝

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鏡開 かがみびらき [俳句]

今日は『鏡開 かがみびらき』でした。

私は鏡開から、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と天岩戸(あまのいわと)を連想しました。天照大御神が天の岩戸に御隠れになった時に、岩戸を力ずくでこじ開けたのが『天之手力男神 あめのたじからのを』です。
この着想は俳句に使えると思い、実際に詠んでみました。が、歳時記を見たら『天之手力男神』は既に使われていました。
残念、まだまだ凡人ですね。

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鏡開手力男(たじからのお)を呼びにやる 粋田化石


鏡開きです。力持ちの天之手力男神(あめのたじからのを)を呼びにやりましよう、という句です。


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裂け目より鏡開けば天照(あまてらす) 粋田化石


ひび割れた鏡餅を裂け目から開いてみたら、中から天照大御神(あまてらすおおみかみ)が現れた、という句です。


【 鏡開 かがみびらき 】 鏡割 鏡餅開く (季新年)
正月に 歳神としがみ に供えた鏡餅を割ることを鏡開という。鏡開の日を十一日にする所が多いが、まれに四日などに行う所もあって必ずしも一定ではない。鏡餅は刃物で切ることを忌み、 槌(つち)などを用いて割り、割るの 忌(いみ)詞(ことば)として「開く」を用いる。開いた餅は汁粉などにして食べる所が多い。

銀行の嘉例の鏡びらきかな 久保田万太郎

鏡開明日となりぬ演舞場 水原秋櫻子

野の雲のまばゆき鏡開きかな 友岡子郷

鉈の背で打つては杣の鏡割 青柳志解樹

罅(ひび)に刃を合せて鏡餅ひらく 橋本美代子

鏡餅ひらくや潮の満ちきたり 林徹

しろがねの手応へ鏡餅ひらく 遠藤若狭男

手力男かくやと鏡開きけり 京極杜藻


天之手力男神(アメノタヂカラヲ)は、日本神話に登場する神。『古事記』では天手力男神、『日本書紀』では天手力雄神と表記される。

岩戸隠れの際は岩戸の脇に控えており、アマテラスが岩戸から顔をのぞかせた時、アマテラスを引きずり出して(『日本書紀』の一書や『古語拾遺』では「引き開けて」)、それにより世界に明るさが戻った。

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110番の日 [俳句]

今日は一月十日で110番の日でした。

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昨日同様にこじつけの連想ゲームです。

110番→通報→泥棒→鳶(とんび)に油揚→とんび→マント

ということで、今日はマントについて。
マントと聞いて私が今思い浮かべるのは『月光仮面』、『怪盗二十面相』でしょうか。
さて、マントは日本では和服の上に羽織るという印象が強いですね。私の母もよく和服を着ていましたので、マントのような服も着ていました。そうして、少年の頃の私は他人とコミュニケーションをとるのが苦手で、母のマントの陰に隠れていました。

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裾ぎゅっと母のマントを握りし日 粋田化石


母のマントの裾を握って、母の後ろに隠れていた私。私にも本当にそんな頃があったのです。


冬 生活
【マント】  二重(にぢゆう) 廻(まは)し とんび インバネス  (季冬)
ケープのついた釣鐘形で袖がない、ゆったりした外套。日本では着物の上に着るようになり、学生もよく着た。女性用や子供用もある。(角川合本俳句歳時記第四版)

修道尼の吊鐘マント戸がはさむ 田川飛旅子

ひと憎むこころをつつむ黒マント 文挾夫佐恵

弥撒(みさ)にゆく母のマントにつつまれて 津田清子

背に老いのはやくも二重廻しかな 久保田万太郎

子に靴を穿かすインバネス地に触り 山口誓子

インバネスの人も見掛けて曾根崎は 松本澄江



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頓智(とんち)の日 [俳句]

今日は『頓知の日』でした。

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理由は1月9日でいっきゅう・一休=頓知だそうです。世の中にある何とかの日を決めているのはオヤジが多いのでしょうか。駄洒落ばかりですね。
そこで私も負けじと洒落を一つ。今日は一休ではなく『寒灸 かんきゅう』の話題です。
昔から寒に灸をすえると効果があるとされていたそうで寒の灸が季語になっています。
さて、私の父はよく自分で灸をすえていました。千年灸のように直接肌に触れない灸ではなく、百草(もぐさ)を丸めて火をつける灸です。

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寒灸や三里も太き父偲ぶ 粋田化石


三里(さんり)は足にあるつぼです。
父は骨太な人で、灸というと武骨な太い足に灸をすえていた父を思いだします。つぼが太いという表現はちょっとおかしいかもしれません。

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馬鹿に効く寒灸の無し知り利口 粋田化石


馬鹿に効くつぼはないと知れば一つお利口になっています。その前に、自分が馬鹿だと知った時点でもう馬鹿てはないですよね。


【 寒灸 かんきう 】寒やいと  (季冬)
灸は寒中にすえると特に効き目があるとされた。(角川合本俳句歳時記第四版)

寒灸や瘦身に火を点じたり 村山古郷

寒の灸髪ふるはせて堪へにけり 森川暁水

そくばくの余命を惜しみ 寒灸(かんやいと) 西島麦南

わが肩に上る煙や寒灸 下田実花

脳天にきりきり沁みて寒灸 上林白草居


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イヤホンの日 [エッセー]

今日はイヤホンの日だそうです。理由は1と8でしようね。

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ところで、最近のイヤホンは音が外に漏れませんね。うん十年前、私が学生の頃のイヤホンは特定の音域の音がだだ漏れで、不快な思いをしたものです。一人の時はさすがにやりませんでしたが、友人が一緒の時はよく漏れてくる音の口真似をして遊んでいました。
だだ漏れの音源の横に立って、「カシャカシャカシャカシャ・・・」、「チャンチャンチャンジャーン」とやるのです。どうやらイヤホンをして音楽を聴いている人には、我々が発する「カシャカシャカシャカシャ・・・」、「チャンチャンチャンジャーン」は聞こえないようで、争い事に発展したことはありませんでした。
若いからできた馬鹿な遊びです。

こじつけですが耳に因んだ句を


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耳当があの耳隠す三輌目 粋田化石


ミッキーの耳当大手を振って夢の国 粋田化石



【 耳袋 みみぶくろ 】 耳掛 耳当 (季冬)
耳は寒風に触れて凍傷を起こしやすいので、それを防ぐため、兎の毛皮や毛糸などで作り、耳にかぶせる袋状のもの。すっぽりと耳だけ覆うものと、耳・頰・ 顎あご 全部を覆うものとがある。(角川合本俳句歳時記第四版)

聴診器持つ手にはづす耳袋 金子伊昔紅

耳飾少し見えゐて耳袋 恵利嘯月

耳袋とりて生きものめく耳よ 伊藤トキノ

木菟(づく) めきて木登りの子の耳袋 村上喜代子


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七種 [俳句]

今日は七種(ななくさ)。折角の節句に我が方では雨となってしまいました。

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雨ならまだいい方で、アメリカとイランの関係を思うと心苦しくなります。どちらが良いとか悪いとかここで論ずることではありませんが、人が人を殺めるというのは決して良いことではないと思います。

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本来であれば、節句ですので家内安全や無病息災を祈りたいのですが、ここは世界平和を祈るしかないかもしれません。

「どうか普通の明日が迎えられますように。」「明日こそ世界が平和でありますように」。

七種や明日希(こいねが)う雨の空 粋田化石



雨降りの七種の空にお願いしました。



こい‐ねが・う【乞い願う/▽希う/×冀う/庶=幾う】こひねがふ
[動ワ五(ハ四)]強く願う。切望する。やや古風な、また改まった言い方。「一層の御理解を―・う次第です」(大辞泉第二版)

【 七種 ななくさ 】 七草  (季新年)
五節句の一つ、七種の節句の略。正月七日に行われ七種 粥がゆ を食べる。↓春の七草

七くさや袴の紐の片むすび 蕪村

七種の過ぎたる加賀に遊びけり 深見けん二

七種や沖より雨の強まり来 貞弘衛

七草の土間の奥より加賀言葉 井上雪

波の上に七草の雨のこりけり 大峯あきら

七草や空うつくしき飛驒の国 遠藤若狭男

七草や霙まじりの風も吹き 対中いづみ

川見つつゆくななくさの雨の中 岡本眸


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小寒 [俳句]

今日は小寒でした。
いよいよ冬本番ですね。暦に合わせたのか今朝は自動車が凍っていました。暖機運転をすれば融けるのですが、私はいつもレジ袋にお湯を入れて自動車にかけています。千葉県の寒さですとそのお湯が再び凍り付くことはありません。原始的な方法ですが、かなり効果があります。
まだ自動車の解氷剤を使ったことはないので、いつか使ってみたいと思っています。

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小寒や吾(あ)の解氷は後にして  粋田化石


車が優先、自分の体の解氷は後回しです

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【 小寒 せうかん 】 (季冬)
二十四節気の一つで、新暦一月五日ごろにあたる。寒の入りの日。いよいよ厳しい寒さに向かう。(角川合本俳句歳時記第四版)

小寒や枯草に舞ふうすほこり 長谷川春草

小寒のさゞなみ立てて木場の川 山田土偶

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五日 [俳句]

毎年のことなのですが、出した年賀状のうち何枚かは宛先不明で戻ってきます。
たいていの場合、昨年の年賀状に「住所が変わりました」と書いてあったのに、無精な私が住所録を書き変えないから起こります。ただ、何の連絡もないのに年賀状が戻って来ると心配になりますね。
まだまだ年賀状は、アナログ世代のための安否確認の道具として重要な役割を担っているのかもしれません

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やつ何処葉書戻りし五日かな 粋田化石


やつ(奴)に出した年賀状が戻ってきたのを五日に知り心配をしています。


【 五日  いつか 】  牛日(ぎうじつ)  (季新年)
一月五日。四日に次いで仕事始めの日とするところが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)

水仙にかかる埃も五日かな 松本たかし

きらめける藪美しき五日かな 今井つる女

金色のものの減りたる五日かな 櫂未知子


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四日 [俳句]

二日の記事に書いたように、元日から七日まではそれぞれ動物の名前がついています。四日の今日は『羊日 ようじつ』羊です。
今年は四日が土曜日でしたので少し事情が違うかもしれませんが、四日は仕事始めの日でもありますね。

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かく言う私も今日が仕事始めでした。そうして五日ぶりに猫にも会いました。

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あの場所であの雉猫が待つ四日  粋田化石


この句の季語は“四日”です。新年の四日目としてではなく、仕事始めとしての意味合いを強調して詠んでみました。

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【 四日 よつか 】  羊日(やうじつ)  (季新年)
一月四日。この日を仕事始めの日とする所が多い。(角川合本俳句歳時記第四版)

うとうとと炬燵の妻の四日かな 今井つる女

四日はや霞むに似たる岳の雲 米谷静二

四日はや猟銃音が雪に鳴る 太田嗟

夕刊を夜更けて取りに出て四日 鷹羽狩行

ふるさとの新聞を買ふ四日かな 山口都茂女

火の気なき官舎に戻る四日かな 戸恒東人

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三日 [俳句]

千葉県北東部では未明に地震です。スマホに『緊急地震速報』がきて警告音がなっていました。
被害はなかったものの、地震の奴め午前三時過ぎに起こしやがって。三が日くらい休んでくださいませ。いえいえ二度と来なくて構いません。

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気忙しき地震はや来る三日かな  粋田化石


夜更かしをして眠ったと思ったら地震と緊急地震速報に起こされてしまいました。正月くらいゆっくりさせてほしいものです。

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【 三日 みつか 】  猪日(ちよじつ) (季新年)
一月三日。官公庁などはこの日まで業務を休むことが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)

三日はや雲おほき日となりにけり 久保田万太郎

黒猫の眼が畑にをる三日かな 村上鬼城

誰も来ぬ三日や墨を磨り遊ぶ 殿村菟絲子

石舞台めぐる三日の畦匂ふ 古賀まり子

三日はや汐木焚く炎を高く上げ 児玉輝代

三日はや釘箱さがす月あかり 中山純子

母のもの仰山干して三日かな 山尾玉藻

三日はや木綿のやうな風とゐる 野木桃花

無為にして首回したる猪日かな 矢島渚男

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