SSブログ

躑躅(つつじ) [俳句]

アニメーションの『サザエさん』で、サザエさん一家が大型連休を楽しもうとする内容を不謹慎だと言う人がいるんだとか。不要不急の外出は避けstay homeですから仕方ないのかもしれませんが、何だか殺伐としていますね。サザエさんを不謹慎だと発言する人が旅番組の再放送なんか見たら、頭の中は大爆発なんでしょうね。

DSC_6601.JPGDSC_6603.JPG


外にはあまり出られませんが、気づくと千葉県東部地方では躑躅(つつじ)の花が見ごろになっていました。花を愛でる機会を持つ私はまだまだ恵まれているのかもしれません。
感謝感謝

DSC_6604.JPG



華躑躅盗み聞きする長き蕊(しべ) 粋田化石


躑躅の花の蕊(しべ)には一本だけ長いものがあります。雄蕊(おしべ)でしょうか。その長い一本がこちらを向いていて、会話を盗み聞きしているように感じました。


51oDB5AOhOL__SY355_.jpg
画像はフリー素材です


白つつじ一つバカ殿もう居らぬ 粋田化石


白い躑躅で志村けん氏が演ずる『バカ殿』を思い出しました。もうあのお姿は見ることが出来ないんですね。


【 躑躅 つつじ 】 山躑躅 蓮華躑躅 霧島 深山霧島  (季春)

春から夏にかけて漏斗状の花を咲かせるツツジ類の総称。各地に自生し、花色は真紅の他に白・淡紅などさまざま。『万葉集』柿本人麻呂の歌に「つつじ花 にほへ娘子 桜花 栄え娘子」とあり古くから日本人に親しまれてきた。(角川合本俳句歳時記第四版)

旅籠屋の夕くれなゐにつつじかな 蓼太

死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり 臼田亜浪

十人は居る寺男白つつじ 岡田日郎

花びらのうすしと思ふ白つつじ 高野素十

眦につつじの色のかたまれる 上野泰

満山のつぼみのままのつつじかな 阿波野青畝

牧牛の真昼ちらばり山躑躅 石橋辰之助

nice!(15)  コメント(2) 

常歩(なみあし)・襲歩(しゅうほ) [川柳]

常歩(なみあし)・襲歩(しゅうほ)
K10012305111_2002280000_2002280002_01_02.jpg


きょうは川柳です

収入減の家庭に三十万円を給付するという話が、国民一人につき十万円を給付するという話になりつつあります。しかも、そうなったのは公明党の山口さんに詰め寄られたからだという説もありますね。国の統率者がブレブレで大丈夫なんでしょうか。なんだか政府はモタモタしていますね。その間にも新型コロナウイルスは世界中を全速力で駈けまわっています。

publicdomainq-0007447.jpg


常歩で襲歩のコロナ追う政府 粋田化石


常歩(なみあし)も襲歩(しゅうほ)も馬の歩様(ほよう)を表す言葉です。申し訳ありません。馬術の知識がないのでうまく説明できませんが、常歩は普通に歩くこと、襲歩は全速力で駈けることと思ってください。

uma2-300x208.jpg



なみ‐あし【並(み)足】
1 速くも遅くもない、普通の足並み。
2 (「常歩」と書く)馬術で、いちばん歩度の遅い馬の進ませ方。速度は、1分間110メートルくらい。ウオーク。(デジタル大辞泉)

しゅう‐ほ〔シフ‐〕【襲歩】
馬術・競馬で、馬を最大速力で走らせること。また、その走り方。速度は1分間1000メートル以上になる。ギャロップ。

[補説]駈歩 (かけあし) と同じように、左右の足が非対称に動き、一完歩の間に1度、四肢がすべて宙に浮く瞬間があるが、同時に着地するのは二肢までで、4拍子の走り方となる。(デジタル大辞泉)

画像はフリー素材です

nice!(16)  コメント(2) 

麗か(うららか) [エッセー]

不要不急の外出を避け特に話題のない休日でしたので、昨日作った俳句を記事にしました。

テレビで見たのですが、北海道大学の先生が、AI(人工知能)に俳句を詠ませる研究をされていました。確かにAIは、人間では思いもつかないかもしれない言葉を組み合わせて素敵な俳句を詠んでいました。
さて、『麗か うららか』という春の季語があります。“うららか”というその音からして春を連想させる言葉ですよね。AIが詠む俳句でもきっと『麗か』は使われるでしょう。進歩すれば韻を踏むAIも出現するかもしれません。AIは人間が与えた指示通りに学習して人を喜ばせる機能を向上させていきます。そう、あくまでも“機能”です。自分自身が使った言葉の“美しさ”“響き”を感じているわけではありません。
言葉の意味、美しさ、響きに感情を擽(くすぐ)られるのは人間にだけ与えられた特権です。さあ、美しい言葉に触れ耳を傾けましょう。人間なんですから。

DSC_5268.JPG



麗かを嗅ぎ嗅ぎ猫はパトロール 粋田化石


新型コロナなど知らぬ猫が鼻をひくひくさせながら歩き回っています。特に雄猫は縄張りを巡回してマーキングもしなければなりません

【 麗か うららか 】 うらら 麗日  (季春)
なごやかな春日に万象 玲瓏(れいろう)と晴れ輝くさまである。↓秋麗(秋)(角川合本俳句歳時記第四版)

うらゝかや女つれだつ嵯峨御室 正岡子規

うららかや空より青き流れあり 阿部みどり女

麗かや野に死に真似の遊びして 中村苑子

うららかや岩場高きに忘れ潮 鷹羽狩行

鯉のくち後ずさりゆくうららかに 小宅容義

うららかやかんばせ風にふちどられ 行方克巳

仏唇に朱の残りをりうららなり 林翔

石三つ寄せてうららや野の竈 福永耕二

病む人へ麗日待ちて文を書く 古賀まり子

nice!(15)  コメント(0) 

『地球に最も近い満月』 [俳句]

今夜はスーパームーン。
実は月の軌道は円軌道ではなく楕円を描きます。その楕円軌道の月が地球に最も接近する日が満月または新月になることを『スーパームーン supermoon』というそうです。満月の場合、月が地球から最も遠い位置にあるときに比べて、直径で約14パーセント大きく、約30パーセント明るく見えるそうです。ちなみに、四月の満月を『ピンクムーン』とも呼ぶそうですが、月がピンク色に見えるわけではありません。
今夜、月が地球に最も近づくのは三時九分だそうです。私は起きていられないなー。

pinkmoon (1).JPG


新コロナ暫し忘れて春の月 粋田化石


月を愛で写真を撮っている最中は新型コロナのことなど忘れていました。

pinkmoon (2).JPG


柔らかき芝に寝転び春満月 粋田化石


今夜は十五夜ですが、正確には明日が満月です。
庭の若い芝に寝転んで月を愛でました。


【 春の月  はるのつき 】  春月(しゆんげつ) 春月夜 春満月 春三日月
古来、秋の月はさやけさを愛で、春の月は朧なるを愛でるというように、滴るばかりの艶なる風情を楽しむ。↓朧月 ・ 月(秋)

春の月さはらば雫たりぬべし 一茶

外にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女

春の月ひとりの鍵を手に鳴らし 有馬籌子

百年は生きよみどりご春の月 仙田洋子

紺絣春月重く出でしかな 飯田龍太

春月の海に出てまだ海の上 倉田紘文

初恋のあとの永生き春満月 池田澄子

春満月映す漆を重ねけり 野中亮介

春三日月近江は大き闇を持つ 鍵和田秞子

nice!(17)  コメント(3) 

ろっくだうん [川柳]

俳句が作れなかったので今日も川柳です

yjimage.jpg


新型コロナウイルスの足音が、すぐそこまで迫ってきているようで怖いですね。七都府県には『緊急事態宣言』が出されるとか。
最近テレビやラジオから流れてくる言葉に『ロックダウン lockdown』があります。“封鎖”という意味ですが、どうやら“都市封鎖”のことを言っているらしいです。
『都市封鎖』と言えば直ぐに意味が分かるのに、なぜ英語の“lockdown”を使うのでしょうね。まさか総理大臣の指示で、テレビもラジオもトランプ大統領に忖度しているわけではないですよね。

virus_lockdown_city.png



日本の危機も英語のlockdown 粋田化石


日本語で表現できることは日本語で

022-illustration-working.png


これは私だけかも知れませんが、新型コロナの渦中に初めて『不要不急』という言葉を聞いた時に意味が分かりませんでした。文字を見れば一目瞭然だったのでしょうが、最初は『扶養不休』・『不用普及』こんなのを思い浮かべました。
私の水準ですと『用と急ぎでない』と言ってくれれば直ぐにわかったのに。


出るんじゃない用と急ぎの無い奴は 粋田化石
 

不要不急の外出は避けの粋田化石語訳でした



画像は全てフリー素材です



nice!(13)  コメント(2) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。