春の闇 [日記]
先日自家用車のタイヤがパンクしていました。右側後ろのタイヤの空気が抜けるのが早いと思っていたら、なんと木ネジが刺さっていました。見つけたのは朝。パンクを修理している時間がなかったのでそのままの状態で走行し、夜家に帰ってから修理しました。
月の無い暗い夜の下、懐中電灯で照らしながら右側後ろのタイヤを外し、それを灯りのある玄関の中まで転がしました。
さて、ここからがパンク修理です。先ずは刺さっているネジを抜きます。
抜いた途端に音を立てて空気が漏れ始めました。次にワインのコルク抜きのような道具を用い、それを回転させながら抜き差しして穴を整形します。
ここで大切なのがネジの刺さっていた角度に合わせて道具を挿入することです。整形が終わったら穴にパンク修理剤を充填するのですが、先端に穴の有る太い針のような形状の道具を使用します。
その穴にまるで細長いビーフ・ジャーキーのようなパンク修理剤を通し、先程整形したタイヤの穴に無理やり押し込みます。しっかりと充填ができたら針のような道具を引き抜きます。その道具は先が割れているのでパンク修理剤がちゃんと穴に残るようになっています。最後にはみ出したパンク修理剤を切り取って終了です。
パンクの修理が終わったタイヤを自動車まで転がし、懐中電灯の薄明りの中で空気を入れてタイヤを自動車に取り付ければ全作業が終了です。
今思うと、パンクを承知で走行したというのが随分無謀でした。ガソリンスタンドに寄って修理してもらえばよかったです。
釘を抜いた後の穴、タイヤを春の闇が包んでいるという句です。
【 春の闇 はるのやみ】 (季春)
月の出ていない春の夜の闇をいう。柔らかくみずみずしさを感じさせる。(角川合本俳句歳時記第四版)
春の闇渚も音ををさめけり 田村木国
千里より一里が遠き春の闇 飯田龍太
春の闇よりつぎつぎに濤頭 清崎敏郎
春の闇瑪瑙をひとつ孕みけり 鳴戸奈菜
月の無い暗い夜の下、懐中電灯で照らしながら右側後ろのタイヤを外し、それを灯りのある玄関の中まで転がしました。
さて、ここからがパンク修理です。先ずは刺さっているネジを抜きます。
抜いた途端に音を立てて空気が漏れ始めました。次にワインのコルク抜きのような道具を用い、それを回転させながら抜き差しして穴を整形します。
ここで大切なのがネジの刺さっていた角度に合わせて道具を挿入することです。整形が終わったら穴にパンク修理剤を充填するのですが、先端に穴の有る太い針のような形状の道具を使用します。
その穴にまるで細長いビーフ・ジャーキーのようなパンク修理剤を通し、先程整形したタイヤの穴に無理やり押し込みます。しっかりと充填ができたら針のような道具を引き抜きます。その道具は先が割れているのでパンク修理剤がちゃんと穴に残るようになっています。最後にはみ出したパンク修理剤を切り取って終了です。
パンクの修理が終わったタイヤを自動車まで転がし、懐中電灯の薄明りの中で空気を入れてタイヤを自動車に取り付ければ全作業が終了です。
今思うと、パンクを承知で走行したというのが随分無謀でした。ガソリンスタンドに寄って修理してもらえばよかったです。
釘抜きし穴やタイヤを春の闇 粋田化石
釘を抜いた後の穴、タイヤを春の闇が包んでいるという句です。
【 春の闇 はるのやみ】 (季春)
月の出ていない春の夜の闇をいう。柔らかくみずみずしさを感じさせる。(角川合本俳句歳時記第四版)
春の闇渚も音ををさめけり 田村木国
千里より一里が遠き春の闇 飯田龍太
春の闇よりつぎつぎに濤頭 清崎敏郎
春の闇瑪瑙をひとつ孕みけり 鳴戸奈菜
「ウエスト・サイド・ストーリー」 [日記]
映画のパンフレットより
朝日の写真を撮りに行こうかと思い、日の出の時刻や方角潮位などを調べて準備をしていましたが雨の予報でした。そこで、突然思い立ってスティーブン・スピルバーグ監督の映画「ウエスト・サイド・ストーリー」を見てきました。再映画化の作品にはがっかりすることがあって食わず嫌いが多かったのですが、スピルバーグという名前の魅力で見に行きました。
物語は前作とほぼ同じでした。舞台はニューヨークのウエスト・サイド。そのウエスト・サイドで対立するのがヨーロッパ系移民のジェッツ(ジェット団)とプエリトリコ移民のシャークス(シャーク団)。そこに、ジェッツの元リーダーのトニーと現シャークスのリーダーであるベルナルドの妹マリアとの禁断の愛が絡み、現代版ロミオとジュリエットとして物語は展開して行きます。
実は前作を劇場で見たのは半世紀も前のリバイバル上映の時でした。それまで耳にしたことがなかった音楽と調和のとれた激しい踊りに感激したのをはっきりと覚えています。今回の再映画化では、音楽はもちろんのこと踊りがより洗練されていて新たな感動を覚えました。映画を見たことがある人にはわかると思います。ジョージ・チャキリスのように足は高く上がりませんでしたが、一生懸命に“指パッチン”の練習をしたのを思い出しました。
リバイバル上映時のポスター
前作ではリチャード・ベイマーが演ずる“トニー”はすっかり更生していて、暴力性の欠片(かけら)も見せないので、物語の最後に起こる事件への展開が不自然に思えていました。今回のスピルバーグ作品では、アンセル・エルゴート演ずるトニーには暴力での前科があるという設定で、途中彼の中に秘められている暴力性もちらりと見せてくれていたので、違和感なく見ることができました。
食わず嫌いはいけませんね。「ウエスト・サイド・ストーリー」は私の中のお気に入りに追加され、サウンド・トラックのCDも購入してしまいました。時間がゆるせばもう一度見に行きたい作品です。
CDのジャケット写真
「ウエスト・サイド」再び指の音や春 粋田化石
字余りでした。「ウエスト・サイド・ストーリー」を見てもう一度指の音を聞くことができました今は春、という句です。
母へ [日記]
千葉県東部地方は北風が吹いて寒い一日でした。今日12月28日は仕事納め、官公庁の方には御用納めですね。
実は今日は母の忌日なのですが親不孝者の私はついつい忘れそうになります。12月28日に亡くなったので、仕事納めという言葉でなんとか思い出すという有様です。
母の亡くなった時の年齢を過ぎた私ですが、今頃になって母が昔言っていたことは正しかったんだと思うことが沢山あります。また、ふとした瞬間に母の言葉を思い出すことがあります。当然その当時は口うるさいとしか思いませんでしたが。私のことを全うに育てようとしていたのですね(結果は疑問ですが)。
それでも今日車を運転していてちょっとイラっとした後に、今日くらいは母を見習はなければと反省をすることができました。
母さん、そちらで待っていてくださいませ。私はもう少しこちらの生活を楽しみたいと思います。
【 北風 きたかぜ 】 北風(きた) 北吹く (季冬)
北または北西から吹く、冷たい冬の季節風。大陸の冷たい高気圧から、日本の東海上の低気圧に向けて吹いてくる。(角川合本俳句歳時記第四版)
北風にたちむかふ身をほそめけり 木下夕爾
北風にあらがふことを敢てせじ 富安風生
北風やイエスの言葉つきまとふ 野見山朱鳥
北風の身を切るといふ言葉かな 中村苑子
北風に吹かれて星の散らばりぬ 今井杏太郎
北風強く夕焼を地の果に押す 田川飛旅子
北風吹くや鳴子こけしの首が鳴る 菖蒲あや
実は今日は母の忌日なのですが親不孝者の私はついつい忘れそうになります。12月28日に亡くなったので、仕事納めという言葉でなんとか思い出すという有様です。
母の亡くなった時の年齢を過ぎた私ですが、今頃になって母が昔言っていたことは正しかったんだと思うことが沢山あります。また、ふとした瞬間に母の言葉を思い出すことがあります。当然その当時は口うるさいとしか思いませんでしたが。私のことを全うに育てようとしていたのですね(結果は疑問ですが)。
それでも今日車を運転していてちょっとイラっとした後に、今日くらいは母を見習はなければと反省をすることができました。
母さん、そちらで待っていてくださいませ。私はもう少しこちらの生活を楽しみたいと思います。
北風吹いて母の背を追う忌日かな 粋田化石
【 北風 きたかぜ 】 北風(きた) 北吹く (季冬)
北または北西から吹く、冷たい冬の季節風。大陸の冷たい高気圧から、日本の東海上の低気圧に向けて吹いてくる。(角川合本俳句歳時記第四版)
北風にたちむかふ身をほそめけり 木下夕爾
北風にあらがふことを敢てせじ 富安風生
北風やイエスの言葉つきまとふ 野見山朱鳥
北風の身を切るといふ言葉かな 中村苑子
北風に吹かれて星の散らばりぬ 今井杏太郎
北風強く夕焼を地の果に押す 田川飛旅子
北風吹くや鳴子こけしの首が鳴る 菖蒲あや
モスラの極彩色 [日記]
「午前十時の映画祭11」にて1961年公開の怪獣映画『モスラ 4Kデジタル・リマスター版』を見てきました。制作:田中友幸、監督:本多猪四郎、制作費:2億円
「午前十時の映画祭11」は“特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」”の第十一弾です。
実は『モスラ』には本編が始まる前に音楽が流れる所謂(いわゆる)“序曲”が存在していて(市販されているDVDでは序曲は削除されています)、今回公開された4Kデジタル・リマスター版『モスラ』には1分ほど(CDの解説文によると1分4秒)の序曲がありました。そのことからも、この映画に込めた製作者の熱意と映画の格調の高さが分かります。
音楽を担当したのは古関裕而。氏が作曲した曲で、劇中“小美人”と呼ばれる双子の妖精(ザ・ピーナッツの伊藤エミ・伊藤ユミ)が歌う「モスラの歌」は有名ですね。映画『モスラ』から感じる主題は「核実験廃止」・「世界平和」の二つでした。そういった意味からも、劇中に流れる古関裕而の心の琴線に触れる曲は非常に効果的であったと感じました。
原作は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の純文学畑の小説家三人を起用。フランキー堺の演ずる新聞記者「福田善一郎」はこの三人の名前の合成だそうです。
撮影に使用されたモスラの幼虫の造形には人間が8~9人入って芝居をする巨大な物もあったそうで、1954年公開の『ゴジラ』でゴジラを演じていた中島春雄氏がモスラの前足を演じていたそうです。ちなみに、俳優としての中島春雄氏は『モスラ』では日本に上陸したモスラから逃げまどう住民を演じておられました。
その巨大なモスラに破壊される街のミニチュアセットもまた従来のものよりは大きく作られていたために、現実感のある迫力の映像でありました。TOHO SCOPPのワイド画面もまた迫力の映像に一役買っていました。
今回改めて思いましたが私はミニチュアセットの特撮が好きです。
「有難う皆さん私たちは世界の人たちが平和に暮らせる日の来るのを祈ります。」これは小美人の妖精二人が最後に言う台詞です。
行く年のモスラ再び極彩色 粋田化石
暮れて行く年にモスラを再びその美しき極彩色よ、という句です
【行く年 ゆくとし 】 年(とし)逝(ゆ)く 年歩む 年流る 年送る (季冬)
暮れてゆく年、また、年末をいう。一年を振り返るしみじみとした思いが感じられる。(角川合本俳句歳時記第四版)
行く年やわれにもひとり女弟子 富田木歩
ゆく年の硯を洗ふ厨かな 三好達治
行年の浅草にあり川を見て 田川飛旅子
船のやうに年逝く人をこぼしつつ 矢島渚男
年を以て巨人としたり歩み去る高浜虚子
撮影会 [日記]
写真撮影が趣味の知人に誘われて、満月とライトアップされた東京ゲイトブリッジの撮影に行ってきました。撮影場所は東京都江東区の若洲海浜公園です。
撮影と言っても薄暮の時間帯の月は撮影したことがなく、何の前ぶれもなくいきなり昇り始めた月にあたふたしてしまいました。撮影条件が決まってくるころには満月は東京ディズニーランドに隣接するホテルの上の方へ。
「月冴ゆ」は寒い空気の中で月の光がくっきりと感じられるという冬の季語です。
寒さの中にくっきりと月が浮かんでいます、海を挟んで向こう側に見えるのは夢とねずみの国ディズニーランド。という句です。
東京ゲイトブリッジは満月を撮影する前にライトアップ前の橋を撮影しました。満月の撮影を終えた後は、マジック・アワーからだんだんと闇に包まれてゆく橋を落ち着いて撮影することができました。
「マジックアワー」という言葉があります。日没から数十分間は太陽光が日中よりも赤く淡い状態になり、西の空全体が金色に包まれます。その間は私のような素人が写真撮影をしても魔法がかかったように美しく写ってくれます。
冬の夕焼けです、マジックアワーで金色に輝いていた空も三十分間の魔法が解けてしまいました。という句です。
【冴ゆ さゆ】 月冴ゆ 星冴ゆ 鐘冴ゆ (季冬)
冷え切った空気のなかで感じる寒さ。「月冴ゆ」「星冴ゆ」「鐘冴ゆ」のように光や音がくっきりと感じられるさまにもいう。↓冴返る(春) (角川合本俳句歳時記第四版)
山辺より灯(ひとも) しそめて冴ゆるかな 前田普羅
冴ゆる夜のこゝろの底にふるゝもの 久保田万太郎
冴ゆる夜のレモンをひとつふところに 木下夕爾
冴ゆる夜の抽斗に鳴る銀の鈴 小松崎爽青
冴ゆる夜の噴煙月に追ひすがる 米谷静二
星冴ゆる歩いて居れば心足り 石昌子
【冬の夕焼 ふゆのゆふやけ 】 冬夕焼(ふゆゆやけ) 寒夕焼(かんゆやけ) 冬茜(ゆあかね) 寒茜 (季冬)
単に夕焼といえば夏の季語であるが、冬の夕焼にもまた、鮮やかな美しさがある。裸木を染め、西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。↓夕焼(夏) (角川合本俳句歳時記第四版)
浦上や冬夕焼にわが染まり 大竹孤悠
冬夕焼見つめることを獣らも 正木ゆう子
明星の銀ひとつぶや寒夕焼 相馬遷子
路地染めて何をもたらす寒夕焼 菖蒲あや
手元まで闇の来てゐる冬茜 廣瀬町子
撮影と言っても薄暮の時間帯の月は撮影したことがなく、何の前ぶれもなくいきなり昇り始めた月にあたふたしてしまいました。撮影条件が決まってくるころには満月は東京ディズニーランドに隣接するホテルの上の方へ。
月が昇り始めたのに、まだ撮影条件が決まりません
カメラを慌てて縦向きにしたら景色が斜めでした
月はすっかり昇ってしまいました、ホテルの灯りが見えています
月冴ゆる向こうは夢のねずみ国 粋田化石
「月冴ゆ」は寒い空気の中で月の光がくっきりと感じられるという冬の季語です。
寒さの中にくっきりと月が浮かんでいます、海を挟んで向こう側に見えるのは夢とねずみの国ディズニーランド。という句です。
日没直前の東京ゲイトブリッジ
東京ゲイトブリッジは満月を撮影する前にライトアップ前の橋を撮影しました。満月の撮影を終えた後は、マジック・アワーからだんだんと闇に包まれてゆく橋を落ち着いて撮影することができました。
日没直後です
いよいよマジックアワーです
ライトアップが始まりました、富士山の輪郭も見えています
魔法は解けて暗闇に包まれて行きます、金星も見えています
冬夕焼三十分の魔法解け 粋田化石
「マジックアワー」という言葉があります。日没から数十分間は太陽光が日中よりも赤く淡い状態になり、西の空全体が金色に包まれます。その間は私のような素人が写真撮影をしても魔法がかかったように美しく写ってくれます。
冬の夕焼けです、マジックアワーで金色に輝いていた空も三十分間の魔法が解けてしまいました。という句です。
【冴ゆ さゆ】 月冴ゆ 星冴ゆ 鐘冴ゆ (季冬)
冷え切った空気のなかで感じる寒さ。「月冴ゆ」「星冴ゆ」「鐘冴ゆ」のように光や音がくっきりと感じられるさまにもいう。↓冴返る(春) (角川合本俳句歳時記第四版)
山辺より灯(ひとも) しそめて冴ゆるかな 前田普羅
冴ゆる夜のこゝろの底にふるゝもの 久保田万太郎
冴ゆる夜のレモンをひとつふところに 木下夕爾
冴ゆる夜の抽斗に鳴る銀の鈴 小松崎爽青
冴ゆる夜の噴煙月に追ひすがる 米谷静二
星冴ゆる歩いて居れば心足り 石昌子
【冬の夕焼 ふゆのゆふやけ 】 冬夕焼(ふゆゆやけ) 寒夕焼(かんゆやけ) 冬茜(ゆあかね) 寒茜 (季冬)
単に夕焼といえば夏の季語であるが、冬の夕焼にもまた、鮮やかな美しさがある。裸木を染め、西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。↓夕焼(夏) (角川合本俳句歳時記第四版)
浦上や冬夕焼にわが染まり 大竹孤悠
冬夕焼見つめることを獣らも 正木ゆう子
明星の銀ひとつぶや寒夕焼 相馬遷子
路地染めて何をもたらす寒夕焼 菖蒲あや
手元まで闇の来てゐる冬茜 廣瀬町子
Le magnifique [日記]
昼間携帯電話を開いたらフランスの俳優ジャン-ポール ベルモンドが亡くなったというニュースが目に飛び込んできました。
少年の頃『華麗なる大泥棒』というベルモンドが主演する映画を見て彼のファンになり、以来50年間ずっと彼を追いかけてきました。ベルモンドもすでに88歳でしたので覚悟していましたが、とうとうこの日が来てしまいました。
本日の題名『Le magnifique』はベルモンドの訃報に寄せたフランスのマクロン大統領の言葉です。実はこの言葉は、ベルモンドが主演した映画『おかしなおかしな大冒険』の仏名で、直訳では“壮大な”という意味になりますが、“偉大な人”という意味で使っています。そうです、ベルモンドは私にとっても偉大な俳優でした。
秋蟬も「つくづく惜しい」ベルモンド 粋田化石
秋蟬(しゅうせん)というのは秋になっても鳴いている蟬のことです。千葉県東部地方は久しぶりに晴れて気温も上がり秋らしい一日でした。ベルモンドの残念な報を知った時に蟬のツクツクボウシが鳴いていました。
たましいを引留むやうに秋の蟬 粋田化石
秋の蟬、残る蟬というと、今までは先に逝ってしまった仲間のために鎮魂歌を歌っているという心象でしたが、今日は仲間の魂を引留めて鳴いているように聞こえました。
【 秋の蟬 あきのせみ 】 秋蟬(しうせん) 残る蟬 (季秋)
蜩や法師蟬のように秋になって鳴き始める蟬もいるが、夏から引き続き鳴く蟬もまだ多い。↓蟬(夏) (角川合本俳句歳時記第四版)
秋の蟬たかきに鳴きて愁ひあり 柴田白葉女
川越えてしまへば別れ秋の蟬 五所平之助
遠き樹に眩しさ残る秋の蟬 林翔
師を恋へば城山に湧く秋の蟬 山田みづえ
喪の幕の端に風ある秋の蟬 岡本眸
磧湯(かはらゆ)の思はぬ熱さ秋の蟬 鳥越すみこ
秋蟬のこゑ澄み透り幾山河 加藤楸邨
秋蟬や島に古りたる神楽面 荒川優子
このひと月 [日記]
パソコンの調子が悪くなり、更新を怠っていました。
その間に季節は夏になり、緊急事態宣言も解除となりました。
今日は、その一か月間に詠んだ俳句や川柳を記事にしました。
【 蛙 かはづ 】 蛙(かへる) 殿様蛙(とのさまがへる ) 赤蛙(あかがへる) 土蛙(つちがへる) 初蛙 遠蛙 昼蛙 夕蛙 田蛙 蛙合戦 蛙田 (季春)
両生類無尾目に属する動物の総称。その声は田園の春の情趣に欠かすことができない。春の繁殖期には池や沼に多くの蛙がひしめきあって生殖活動を行うが、これを「蛙合戦」と呼ぶ。↓雨蛙(夏) ・ 河鹿(夏) ・ 蟇(夏)
【 春深し はるふかし 】 春(はる) 闌(た)く 春(はる) 更(ふ)く (季春)
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられるころをいう。
鹿尾菜(ひじき)が春の季語です。前歯を欠いて鹿尾菜を食いにくそうにしているのを詠みました。
【 鹿尾菜 ひじき 】 鹿角菜(ひじき) ひじき刈 (季春)
褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道室蘭以北の海域を除いた日本各地に分布。茎は円柱状で葉は互生する。春から初夏にかけて繁茂し、初夏に精子と卵を作って有性生殖を行う。春に採取し、釜で煮た後、天日干ししたものが食用として親しまれている。
【 立夏 りつか 】 夏立つ 夏に入る 夏(なつ) 来(きた) る 夏(なつ) 来( く)る (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月五日ごろにあたる。暦の上ではこの日から夏が始まる。活気に満ちた季節の到来を感じさせる。
【 母の日 ははのひ 】 (季夏)
五月の第二日曜日で、母に感謝をする日。アメリカの一女性が亡母を 偲(しの)んで白いカーネーションを配ったことに始まる。後にウィルソン大統領によって「母の日」に制定され、広まった。亡母を偲ぶものは白、健在の母の場合は赤い花を胸につけた。大正時代に伝わったが、定着したのは戦後。
紙垂(しで)はしめ縄に下がる折った白い紙です
【 風薫る かぜかをる 】 薫風 (季夏)
木々の緑の香りを運ぶ心地よい風。和歌では、花や草の香りを運ぶ春風の意であったが、連歌で、初夏の風として意識されはじめた。
鷺は時々足元を見つめ固まっています。
【 青鷺 あをさぎ 】 (季夏)
日本のサギ類の中では最も大型で、背面が青灰色。産卵期は四~五月。北海道・本州・四国・ 対馬つしま で繁殖するが、北方のものは秋に南下し、冬季を暖地で過ごす。クァー、クァーと低い声で鳴き、ゆるく羽打ちながら飛ぶ。水辺や干潟に下りて、魚・蛙・貝・昆虫などを食べる。水辺などで塑像のように動かないこともある。
【 翡翠 かはせみ 】 川蟬 せうびん 翡翠(ひすい) (季夏)
雀より大きいカワセミ科の鳥で全体が青緑色、いわゆる 翡翠(ひすい)の玉に似てきわめて美しい。 翡翠(ひすい)は異称で、雄を翡、雌を翠という。 嘴くちばし は黒くて鋭く長い。夏、渓流や池沼に沿った 杭くい や岩・樹枝の上から魚を狙い、見つけると急降下して捕らえる。飛翔は直線的で、飛翔中にツィーという声で鳴く。
【 牡丹 ぼたん 】 ぼうたん 富貴草(ふうきさう) 白牡丹(はくぼたん) 緋牡丹(ひぼたん) 牡丹園 (季夏)
ボタン科ボタン属の落葉低木の花。観賞用に世界的に栽培される。中国西北部に自生し、中国を代表する花。花王・花神・富貴花などの異名を持つ。晩春から初夏にかけて直径一〇~二〇センチの豊麗な花をつけ、色は白・紅・真紅・黄・絞りなどさまざま。根は薬用になる。↓寒牡丹(冬)
番外
【 小満 せうまん 】 (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月二十一日ごろにあたる。万物しだいに長じて満つるの意。
【 薔薇 ばら 】 薔薇(さうび) 紅薔薇 白薔薇 薔薇園 薔薇垣 (季夏)
バラ科バラ属の低木の花。野生種は世界に約二百種、日本にも約十種がある。幹は 叢生(そうせい)・ 蔓(つる)性とその中間に分けられる。古代から中近東や中国で色と香りが愛されてきたが、現在の園芸種はヨーロッパと東西アジアの原産種が複雑に交配されたもの。五月ごろが最盛期で秋咲きのものも美しい。↓薔薇の芽(春)
擬宝珠(ぎぼし)は橋の欄干にある玉ねぎみたいな物です
【 夏の雨 なつのあめ 】 緑雨 (季夏)
夏に降る雨のことで、明るさを背景に感じさせる。新緑のころに降る雨は緑雨という。
【 麦の秋 むぎのあき 】 麦秋(むぎあき) 麦秋(ばくしう) (季夏)
麦が黄金色に熟して取り入れどきになる初夏のころをいう。「秋」は実りのときの意。↓麦刈
【 時鳥 ほととぎす 】 子規(ほととぎす) 不如帰(ほととぎす) 杜鵑(ほととぎす) 蜀魂(ほととぎす) 杜宇(ほととぎす) (季夏)
日本で繁殖するホトトギス科の鳥中最も小型で、背面は暗灰色、風切羽はやや褐色、尾羽には黒色の地に白斑がある。五月中旬ごろに南から渡ってきて、低山帯から山地などに棲息し飛び回る。卵を 鶯(うぐいす)などの巣に 托(たく)す習性(托卵)がある。昼夜の別なく一種気迫のある鳴き方をし、「てっぺんかけたか」「 本尊(ほんぞん)かけたか」「特許許可局」その他いろいろに聞き 做(な)す。またせわしく鳴く声を古人は 帛(きぬ)を裂くようだといったが、実際はさほど激しい声ではない。鶯とともに、初音を待ちわびるものであった。
【 蠑螈 ゐもり 】 井守(ゐもり) 赤腹(あかはら) (季夏)
守宮(やもり)に似てそれよりやや大きいイモリ科の両生類。背が黒く腹が赤い。四肢の発達が不十分で歩行は拙劣だが、尾が平たいので遊泳に適している。池や溝、野井戸などに棲息、水面へ出ると肺呼吸する。五~六月ごろに産卵する
【 枇杷 びは 】 枇杷の実 (季夏)
枇杷はバラ科の常緑高木。石灰岩地帯に野生するが、改良品種が栽培される。冬に花が咲き、翌年六月ごろ倒卵形の果実が黄橙色に熟する。半透明の内果皮を食するが、少し酸味があり、甘味も強い。
【プール】 プールサイド (季夏)
学校などのプールは二五メートルが一般的だが、日本水泳連盟公認のプールは二五、五〇メートルプールで、国際競技には七コース以上のものが使用される。
【 苺 いちご 】 覆盆子(いちご) 苺狩 苺畑 野苺 草苺 (季夏)
現在ほとんどが温室栽培となり、季節を問わず店先に並ぶが、苺は本来は夏に熟するものである。栽培ものの中心はオランダ苺。食べる部分は 花托(かたく)が肥大したもので、表面に散在するのが種子。↓冬苺(冬)
【 更衣 ころもがへ 】 衣更(ころもか)ふ (季夏)
季節の推移にあわせて衣服を替えること。俳句では夏の衣服に替えることをいう。更衣は宮中で旧暦四月 朔日ついたち に行われていたものが、一般に広まったもの。現在でも制服を着用するところでは五~六月に夏服への更衣を行う。夏の更衣に対して、十月一日に冬服に替えることは 後(のち)の更衣。
その間に季節は夏になり、緊急事態宣言も解除となりました。
今日は、その一か月間に詠んだ俳句や川柳を記事にしました。
四月二十八日
蛙合戦何れが武田上杉か 粋田化石
泡沫(うたかた)や蛙水面でウタカタと 粋田化石
【 蛙 かはづ 】 蛙(かへる) 殿様蛙(とのさまがへる ) 赤蛙(あかがへる) 土蛙(つちがへる) 初蛙 遠蛙 昼蛙 夕蛙 田蛙 蛙合戦 蛙田 (季春)
両生類無尾目に属する動物の総称。その声は田園の春の情趣に欠かすことができない。春の繁殖期には池や沼に多くの蛙がひしめきあって生殖活動を行うが、これを「蛙合戦」と呼ぶ。↓雨蛙(夏) ・ 河鹿(夏) ・ 蟇(夏)
四月三十日
春深しクロスワードはトで五文字 粋田化石
【 春深し はるふかし 】 春(はる) 闌(た)く 春(はる) 更(ふ)く (季春)
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられるころをいう。
五月一日
一心に鹿尾菜(ひじき)食う人前歯欠き 粋田化石
鹿尾菜(ひじき)が春の季語です。前歯を欠いて鹿尾菜を食いにくそうにしているのを詠みました。
【 鹿尾菜 ひじき 】 鹿角菜(ひじき) ひじき刈 (季春)
褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道室蘭以北の海域を除いた日本各地に分布。茎は円柱状で葉は互生する。春から初夏にかけて繁茂し、初夏に精子と卵を作って有性生殖を行う。春に採取し、釜で煮た後、天日干ししたものが食用として親しまれている。
五月二日
青信号生足渡る立夏かな 粋田化石
朝刊を広げ爪切る立夏かな 粋田化石
木漏れ日に自粛も揺らぐ立夏かな 粋田化石
【 立夏 りつか 】 夏立つ 夏に入る 夏(なつ) 来(きた) る 夏(なつ) 来( く)る (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月五日ごろにあたる。暦の上ではこの日から夏が始まる。活気に満ちた季節の到来を感じさせる。
五月七日
母の日や写真の母は舌を出し 粋田化石
母の年追い抜き二つ母の日よ 粋田化石
【 母の日 ははのひ 】 (季夏)
五月の第二日曜日で、母に感謝をする日。アメリカの一女性が亡母を 偲(しの)んで白いカーネーションを配ったことに始まる。後にウィルソン大統領によって「母の日」に制定され、広まった。亡母を偲ぶものは白、健在の母の場合は赤い花を胸につけた。大正時代に伝わったが、定着したのは戦後。
五月十一日
風薫る雲に溶け行く紙垂(しで)白し 粋田化石
紙垂(しで)はしめ縄に下がる折った白い紙です
【 風薫る かぜかをる 】 薫風 (季夏)
木々の緑の香りを運ぶ心地よい風。和歌では、花や草の香りを運ぶ春風の意であったが、連歌で、初夏の風として意識されはじめた。
五月十二日
青鷺の一歩出てまた固まりぬ 粋田化石
鷺は時々足元を見つめ固まっています。
【 青鷺 あをさぎ 】 (季夏)
日本のサギ類の中では最も大型で、背面が青灰色。産卵期は四~五月。北海道・本州・四国・ 対馬つしま で繁殖するが、北方のものは秋に南下し、冬季を暖地で過ごす。クァー、クァーと低い声で鳴き、ゆるく羽打ちながら飛ぶ。水辺や干潟に下りて、魚・蛙・貝・昆虫などを食べる。水辺などで塑像のように動かないこともある。
五月十三日
翡翠(かわせみ)は空の申し子池碧(あお)し
粋田化石【 翡翠 かはせみ 】 川蟬 せうびん 翡翠(ひすい) (季夏)
雀より大きいカワセミ科の鳥で全体が青緑色、いわゆる 翡翠(ひすい)の玉に似てきわめて美しい。 翡翠(ひすい)は異称で、雄を翡、雌を翠という。 嘴くちばし は黒くて鋭く長い。夏、渓流や池沼に沿った 杭くい や岩・樹枝の上から魚を狙い、見つけると急降下して捕らえる。飛翔は直線的で、飛翔中にツィーという声で鳴く。
五月十五日
傘の内昨日見つけし白牡丹 粋田化石
【 牡丹 ぼたん 】 ぼうたん 富貴草(ふうきさう) 白牡丹(はくぼたん) 緋牡丹(ひぼたん) 牡丹園 (季夏)
ボタン科ボタン属の落葉低木の花。観賞用に世界的に栽培される。中国西北部に自生し、中国を代表する花。花王・花神・富貴花などの異名を持つ。晩春から初夏にかけて直径一〇~二〇センチの豊麗な花をつけ、色は白・紅・真紅・黄・絞りなどさまざま。根は薬用になる。↓寒牡丹(冬)
番外
密三つ唱う怪しき晋三つ 粋田化石
五月十九日
小満や距離の縮まる野良の猫 粋田化石
【 小満 せうまん 】 (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月二十一日ごろにあたる。万物しだいに長じて満つるの意。
五月二十日
実験室フラスコに活く薔薇の花 粋田化石
【 薔薇 ばら 】 薔薇(さうび) 紅薔薇 白薔薇 薔薇園 薔薇垣 (季夏)
バラ科バラ属の低木の花。野生種は世界に約二百種、日本にも約十種がある。幹は 叢生(そうせい)・ 蔓(つる)性とその中間に分けられる。古代から中近東や中国で色と香りが愛されてきたが、現在の園芸種はヨーロッパと東西アジアの原産種が複雑に交配されたもの。五月ごろが最盛期で秋咲きのものも美しい。↓薔薇の芽(春)
五月二十二日
剥げ落ちし擬宝珠(ぎぼし)伝わる緑雨かな 粋田化石
擬宝珠(ぎぼし)は橋の欄干にある玉ねぎみたいな物です
【 夏の雨 なつのあめ 】 緑雨 (季夏)
夏に降る雨のことで、明るさを背景に感じさせる。新緑のころに降る雨は緑雨という。
五月二十五日
麦の秋二輛の列車歩くごと 粋田化石
【 麦の秋 むぎのあき 】 麦秋(むぎあき) 麦秋(ばくしう) (季夏)
麦が黄金色に熟して取り入れどきになる初夏のころをいう。「秋」は実りのときの意。↓麦刈
五月二十六日
時鳥鳴き足りぬらし夜もなお 粋田化石
夜更かしの吾を見張りに時鳥 粋田化石
山の向こう幸せあると時鳥 粋田化石
【 時鳥 ほととぎす 】 子規(ほととぎす) 不如帰(ほととぎす) 杜鵑(ほととぎす) 蜀魂(ほととぎす) 杜宇(ほととぎす) (季夏)
日本で繁殖するホトトギス科の鳥中最も小型で、背面は暗灰色、風切羽はやや褐色、尾羽には黒色の地に白斑がある。五月中旬ごろに南から渡ってきて、低山帯から山地などに棲息し飛び回る。卵を 鶯(うぐいす)などの巣に 托(たく)す習性(托卵)がある。昼夜の別なく一種気迫のある鳴き方をし、「てっぺんかけたか」「 本尊(ほんぞん)かけたか」「特許許可局」その他いろいろに聞き 做(な)す。またせわしく鳴く声を古人は 帛(きぬ)を裂くようだといったが、実際はさほど激しい声ではない。鶯とともに、初音を待ちわびるものであった。
五月二十七日
掌の皺押し広げ蠑螈(いもり)逃ぐ 粋田化石
青き枇杷早柔き毛の生え揃い 粋田化石
【 蠑螈 ゐもり 】 井守(ゐもり) 赤腹(あかはら) (季夏)
守宮(やもり)に似てそれよりやや大きいイモリ科の両生類。背が黒く腹が赤い。四肢の発達が不十分で歩行は拙劣だが、尾が平たいので遊泳に適している。池や溝、野井戸などに棲息、水面へ出ると肺呼吸する。五~六月ごろに産卵する
【 枇杷 びは 】 枇杷の実 (季夏)
枇杷はバラ科の常緑高木。石灰岩地帯に野生するが、改良品種が栽培される。冬に花が咲き、翌年六月ごろ倒卵形の果実が黄橙色に熟する。半透明の内果皮を食するが、少し酸味があり、甘味も強い。
五月二十八日
レナウン娘プールサイドに来ない日々 粋田化石
【プール】 プールサイド (季夏)
学校などのプールは二五メートルが一般的だが、日本水泳連盟公認のプールは二五、五〇メートルプールで、国際競技には七コース以上のものが使用される。
五月二十九日
野苺を分相応に一つだけ 粋田化石
【 苺 いちご 】 覆盆子(いちご) 苺狩 苺畑 野苺 草苺 (季夏)
現在ほとんどが温室栽培となり、季節を問わず店先に並ぶが、苺は本来は夏に熟するものである。栽培ものの中心はオランダ苺。食べる部分は 花托(かたく)が肥大したもので、表面に散在するのが種子。↓冬苺(冬)
五月三十日
手水舎で胸元濡らす更衣 粋田化石
【 更衣 ころもがへ 】 衣更(ころもか)ふ (季夏)
季節の推移にあわせて衣服を替えること。俳句では夏の衣服に替えることをいう。更衣は宮中で旧暦四月 朔日ついたち に行われていたものが、一般に広まったもの。現在でも制服を着用するところでは五~六月に夏服への更衣を行う。夏の更衣に対して、十月一日に冬服に替えることは 後(のち)の更衣。
シュークリーム [日記]
東京に麻布十番というところがあり、そこにシュークリームの専門店があるのを知りました。そのことを娘に話したところ、東京に行った娘がそのシュークリームを買ってきてくれました。
さて、そのシュークリームには色々種類があるらしく、私が食べたのはカスタードでした。カスタード・クリームはとろけるよう。また、シューにもキャラメルのような香りがあり、たいへん美味しく頂戴しました。
シュークリーム右手左は寒見舞 粋田化石
食卓の上を見ると寒中見舞いの葉書が置いてあります。誰から届いたのだろうかと左手で葉書を持ち、読みながら右手でシュークリームを食いました。右手と口の周りをクリームでべとべとにしながらです。上五の“シュークリーム”が字余りです。また“右手”は句またがりになっています。
【 寒見舞 かんみまひ 】 寒中見舞 (季冬)
寒中に、親戚・友人などの安否を見舞うこと。喪中で年賀欠礼した人が、年賀状の返事として葉書を出したり、歳暮の品を贈る機を逸し、年が明けてから贈る場合などにこのことばを使うことが多い。↓暑中見舞(夏)(角川合本俳句歳時記第四版)
寒見舞古江の鯉をさげきたる 水原秋櫻子
しもふりの肉ひとつつみ寒見舞 上村占魚
藁 苞つと のまたも動くや寒見舞 平松竈馬
美しき富士を見たりと寒見舞 和田順子
煙草やめよと書き添へて寒見舞 片山由美子
男はつらいよ [日記]
粋田化石は映画『男はつらいよ』が大好きです。実は私の姉も『男はつらいよ』が好きで、時々寅さん談議にふけります。いつだったか姉に全四十八作の中でどの作品が一番好きか尋ねたところ、「京マチ子が出るやつ。」と答えました。これは第十八作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』のことで、私が一番好きな作品と同じでした。感性が似ているのかもしれませんね。
その姉と私さらに妹を加えた三人で東京の柴又にある“寅さん記念館に”行こうという話が持ち上がっています。そこで、私が下見を兼ねて一月十八日に柴又へ行ってきました。
霙(みぞれ)という生憎の天候でしたが、沢山の人が訪れて来ていました。丁度、庚申の日で題経寺(帝釈天)の縁日ということもあったのかもしれません。そうそう、『男はつらいよ』の新作が公開されたのでその影響もあると思います。
柴又駅のホームです。向かって左が高砂方面のホームです。このホームで寅とさくらの数々の別れの名シーンが撮影されました。
駅前にあるブロンズ像です。寅さんの視線は柴又の街をとらえているのでしょうか。それとも妹さくらを見ているのでしょうか。さくらの視線の先は間違いなく兄寅次郎です。
帝釈天の参道です。道の両脇から良いにおいが漂ってくるので誘惑に負けそうです。食べるのは参拝の後です。
鐘です。映画の中では寺男の源ちゃんが鐘をついていましたね。
“寅さん記念館”には題経寺から少し歩けば到着です。大勢の人が訪れていましたが、私のようにじっくりと見学している人は少ないようでした。なんと勿体無いことでしょう。ちなみに、じっくり見学したら一時間では足りないと思います。
寅さん映画の歴史、だんご屋“くるまや”の撮影セット、京成金町線の歴史等が展示してありました。音、映像、模型を使って分かりやすく丁寧に展示してありました。
兄妹で出かけた際にはまた報告させていただきます。
【 霙 みぞれ 】 霙(みぞ)る (季冬)
雪混じりの雨で、シャーベット状で降ってくる。冬の初めや終わりに多い。明け方の霙は日中雪に変わりやすい。(角川合本俳句歳時記第四版)
その姉と私さらに妹を加えた三人で東京の柴又にある“寅さん記念館に”行こうという話が持ち上がっています。そこで、私が下見を兼ねて一月十八日に柴又へ行ってきました。
霙(みぞれ)という生憎の天候でしたが、沢山の人が訪れて来ていました。丁度、庚申の日で題経寺(帝釈天)の縁日ということもあったのかもしれません。そうそう、『男はつらいよ』の新作が公開されたのでその影響もあると思います。
京成柴又駅
柴又駅のホームです。向かって左が高砂方面のホームです。このホームで寅とさくらの数々の別れの名シーンが撮影されました。
駅前にあるブロンズ像です。寅さんの視線は柴又の街をとらえているのでしょうか。それとも妹さくらを見ているのでしょうか。さくらの視線の先は間違いなく兄寅次郎です。
柴又よ霙(みぞれ)が分かつ寅さくら 粋田化石
帝釈天の参道です。道の両脇から良いにおいが漂ってくるので誘惑に負けそうです。食べるのは参拝の後です。
帝釈様、題経寺
鐘です。映画の中では寺男の源ちゃんが鐘をついていましたね。
待ちに待った
蓋を開けると
食事の後は柴又名物草だんごです
“寅さん記念館”には題経寺から少し歩けば到着です。大勢の人が訪れていましたが、私のようにじっくりと見学している人は少ないようでした。なんと勿体無いことでしょう。ちなみに、じっくり見学したら一時間では足りないと思います。
寅さん映画の歴史、だんご屋“くるまや”の撮影セット、京成金町線の歴史等が展示してありました。音、映像、模型を使って分かりやすく丁寧に展示してありました。
兄妹で出かけた際にはまた報告させていただきます。
【 霙 みぞれ 】 霙(みぞ)る (季冬)
雪混じりの雨で、シャーベット状で降ってくる。冬の初めや終わりに多い。明け方の霙は日中雪に変わりやすい。(角川合本俳句歳時記第四版)
台風15号 [日記]
お彼岸ですね
台風15号が来てから2週間と少し経ちました。我が家は二日間の断水とテレビのアンテナの倒壊、ウッドデッキの崩壊、伸びすぎたもみの木が傾(かし)いでしまっただけで済みました。
昨日、知人の酪農家を訪ねたのですが、牛が数頭死んだそうです。しかも、いまだに電気が通じていませんでした。さらに、建物の崩壊、発電機を使用したための機械の故障などがあり、我が家の被害など被害のうちに入らないと思えるほどでした。その知人宅ですが、東電の電源車が2台来てくれたので搾乳は通常にできるようになり、昨日から牛乳の出荷を再開しました。
ニュースなどで報道されているのを見ると、千葉県でも南房総の被害が甚大だと伝わってきます。確かにその通りなのでしょう。しかし被害は千葉県全域に及んでいて、その実態を自治体が把握していないというのが現実だと思われます。
台風15号で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、気分を変えてお彼岸の句を
『彼岸』というと春の彼岸を指すのだそうです。それで『秋彼岸』です。
御前様がスクーターに乗って信号待ちをしているお姿を拝見しました。つまりヘルメットはバイクのヘルメットです。“急ぐ”としたのは私の心象です。
実はこちらの句を主役にしたかったのですが、うまく出来なかったので川柳として載せました。
【 秋彼岸 あきひがん 】 後(のち)の彼岸(ひがん) (季秋)
秋分の日を中日とする前後三日の七日間。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、このころから秋涼の気が定まる。春の彼岸に対して、後の彼岸という。単に彼岸といえば春の彼岸をさす。↓秋分 ・ 彼岸(春)
山寺に降りこめられて秋彼岸 大橋櫻坡子
ひとごゑのさざなみめける秋彼岸 森澄雄
水の上を墨の流るる秋彼岸 吉田汀史
人は灯をかこみて後の彼岸かな 三田きえ子
台風15号が来てから2週間と少し経ちました。我が家は二日間の断水とテレビのアンテナの倒壊、ウッドデッキの崩壊、伸びすぎたもみの木が傾(かし)いでしまっただけで済みました。
傾いたもみの木はチェーンソーで切りました
屋根が飛ばされています
昨日、知人の酪農家を訪ねたのですが、牛が数頭死んだそうです。しかも、いまだに電気が通じていませんでした。さらに、建物の崩壊、発電機を使用したための機械の故障などがあり、我が家の被害など被害のうちに入らないと思えるほどでした。その知人宅ですが、東電の電源車が2台来てくれたので搾乳は通常にできるようになり、昨日から牛乳の出荷を再開しました。
倒壊した建物と瓦礫
電源車
集乳車
何も知らない牛
ニュースなどで報道されているのを見ると、千葉県でも南房総の被害が甚大だと伝わってきます。確かにその通りなのでしょう。しかし被害は千葉県全域に及んでいて、その実態を自治体が把握していないというのが現実だと思われます。
台風15号で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、気分を変えてお彼岸の句を
秋彼岸急ぐ坊主はヘルメット 粋田化石
画像はフリー素材です
『彼岸』というと春の彼岸を指すのだそうです。それで『秋彼岸』です。
御前様がスクーターに乗って信号待ちをしているお姿を拝見しました。つまりヘルメットはバイクのヘルメットです。“急ぐ”としたのは私の心象です。
ヘルメット脱いでも坊主秋彼岸 粋田化石
画像はフリー素材です
実はこちらの句を主役にしたかったのですが、うまく出来なかったので川柳として載せました。
【 秋彼岸 あきひがん 】 後(のち)の彼岸(ひがん) (季秋)
秋分の日を中日とする前後三日の七日間。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、このころから秋涼の気が定まる。春の彼岸に対して、後の彼岸という。単に彼岸といえば春の彼岸をさす。↓秋分 ・ 彼岸(春)
山寺に降りこめられて秋彼岸 大橋櫻坡子
ひとごゑのさざなみめける秋彼岸 森澄雄
水の上を墨の流るる秋彼岸 吉田汀史
人は灯をかこみて後の彼岸かな 三田きえ子