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新型コロナウイルス [俳句]

新型コロナウイルスによる肺炎の流行が収まりませんね。
これはもう日本の危機かもしれません。
総理大臣の思いつきのような判断が間違いとは思いませんが、この先はどうするのでしょうね。
今私が言いたいのは、「早く一億二千万人分の検査キットを用意してくださいませ。」です

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そうして、私が行く予定だった落語会も中止になりました。もっとも、この落語会に関しては二の足を踏んでいたのですが。やっぱり新型肺炎は怖いですよね。

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画像はフリー素材です



ひたひたと新型の影怯む春 粋田化石


新型の影といっても、ウイルスは見えないので怖いですね。本当に怯(ひる)んでしまいます。

【 春 はる 】 陽春 芳春 三春 九春
立春(二月四日ごろ)から立夏(五月六日ごろ)の前日までをいう。新暦ではほぼ二、三、四月にあたるが、旧暦では一、二、三月。三春は初春・仲春・晩春、九春は春九旬(九十日間)のこと。陽春・芳春は春をさす漢語。(角川合本俳句歳時記第四版)

春もややけしきととのふ月と梅 芭蕉

春や昔十五万石の城下かな 正岡子規

麗しき春の七曜またはじまる 山口誓子

春を病み松の根つ子も見飽きたり 西東三鬼

バスを待ち大路の春をうたがはず 石田波郷

女身仏に春剝落のつづきをり 細見綾子

少年や六十年後の春の如し 永田耕衣

人は影鳥は光を曳きて春 永方裕子

春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村登四郎

春や佐保路普賢の象に乗る夢も 河原枇杷男

虫鳥のくるしき春を 不為(なにもせず) 高橋睦郎

春や子に欲し青雲のこころざし 加古宗也

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猫の句 [俳句]

二月二十二日は『猫の日』でした。
季語には『猫の子』、『猫の恋』があり、どちらも春の季語です。
二日遅れになってしまいましたが猫の句です

さて、子猫の眼は青く宝石のようにも見えます。
吸い込まれそうなその青い目から、私は映像などで見る南の島の青い海を連想しました。

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子猫の眼海ボラボラの青い海 粋田化石


特にひねりはなくそのままの句です。ボラボラはタヒチにある島の名前です。

【 猫の子 ねこのこ 】 子猫 猫の親 猫生まる
猫の繁殖期は不定であるが、一~三月、五~六月に多く見られ、約二か月の妊娠期間を経て出産する。子を孕んだものうげな親猫、出生してまだ目のあかぬ子猫、離乳し遊び始めたころの子猫、いずれも可愛い。↓猫の恋 (角川合本俳句歳時記第四版)

百代の過客しんがりに猫の子も 加藤楸邨

ねこの子の猫になるまでいそがしく 鈴木明

黒猫の子のぞろぞろと月夜かな 飯田龍太

スリツパを越えかねてゐる仔猫かな 高浜虚子

わが仔猫神父の黒き裾にのる 平畑静塔

脱ぎ捨てしものの中より仔猫かな 小原啄葉


おそろしや石垣壊す猫の恋 子規


正岡子規の句です。猫の恋の一瞬を切り取るというより、躍動感が感じられる句ですね。

発情期が終わり帰って来る雄猫は、傷だらけでボロボロになっていることがあります。おそらく雌猫をめぐって雄同士が戦うのでしょうね。強い雄ほど多くの雌を獲得できるのです。

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猫の恋ボスの目盗みクロの遂(と)ぐ 粋田化石


写真の雄猫はボス猫です。
この後、ボス猫の目を盗んで順位の低い雄の黒猫が雌猫に乗っかり、想いを遂げていました。

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【 猫の恋 ねこのこひ 】 恋猫 猫 交(さか)る うかれ猫 猫の(夫)つま  猫の妻 春の猫 孕猫
猫の交尾期は年に数回あるが、特に早春の発情期を迎えた猫の行動をさす。発情期に入った雄猫は夜昼となく雌猫を恋い、さまよう。数匹が争いわめきたてたり、泣き声を立てて恋情を訴える。飼い猫が数日家を空けたあとで 憔悴しようすい し傷つき汚れて帰ってくるのは哀れである。↓猫の子 (角川合本俳句歳時記第四版)

麦飯にやつるる恋か猫の妻 芭蕉

うらやまし思ひきる時猫の恋 越人

山国の 暗(やみ)すさまじや猫の恋 原石鼎

色町や真昼ひそかに猫の恋 永井荷風

奈良町は宵庚申や猫の恋 飴山實

己が傷を舐めて終りぬ猫の恋 清水基吉

恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく 加藤楸邨

恋猫の恋する猫で押し通す 永田耕衣

恋猫や世界を敵にまはしても 大木あまり

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繁縷(はこべ) [俳句]

春めいてきましたね。足元に繁縷(はこべ)の花を見つけました。
今朝は霜が降りていましたが、日が昇ると地上三㎝はすでに春です。

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繁縷咲く地上一寸気配満ち 粋田化石


繁縷(はこべ)が咲いている、地上から三㎝は春の気配が満ちている。という句です。

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【 繁蔞 はこべ 】 はこべら あさしらげ
ナデシコ科の越年草で、路傍や畑など、いたるところで自生している。春の七草の一つ。茎は基部が分岐して地面を這う。葉は対生し卵形で柔らかい。春、白色の小さな五弁花をつける。古くから小鳥の餌としたり、民間薬として利用したりしてきた。(角川合本俳句歳時記第四版)

はこべらや焦土の色の雀ども 石田波郷

栄達に遠しはこべら道に咲き 安住敦

はこべらや名をつけて飼ふ白うさぎ 大串章

はこべ草さぬきの山は高からず 市場基巳

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バレンタインの日 [俳句]

バレンタインデーでした。
特に話題にするほどのこともないのですが、春の行事として歳時記にも載っていますので、句を詠んでみました。

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似非の愛数えしバレンタインの日 粋田化石


バレンタインの日に似非(えせ)の愛の数を数えていたなぁ、という句です。男は馬鹿ですね。それが本命ではなくても頂いたチョコレートを数えたりしてました。そういえば、チョコレートを沢山もらえる人が羨ましかった時代もありました。

【 バレンタインの日 ばれんたいんのひ 】 バレンタインデー  (季春)
二月十四日。ローマの司教聖バレンタインが殉教した日。ローマ神話と結びつき、恋人同士が贈物を交わす日になった。日本では女性が男性に愛を告白できる日として、チョコレートを贈ったりするようになった。(角川合本俳句歳時記第四版)

乳牛の黒き眼バレンタインの日 大峯あきら

金色の封蠟バレンタインの日 水田光雄

バレンタインデー心に鍵の穴ひとつ 上田日差子

いつ渡そバレンタインのチョコレート 田畑美穂女

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ライン・句会 [俳句]

粋田化石はグループ・ラインに幾つか参加していますが、その中の一つで『句会』もどきをやっています。参加者は私を含め三人で、それぞれが俳句を出し合い句会のようなものがライン上で開かれます。三人とも素人ですので添削まではできませんが、それでも「あーでもない、こーでもない。」と言い合いながら高みを目指しています。
今日の兼題(お題)は『梅 うめ』でした。

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友人から届いた写真、その一


私の詠んだ句は

写メ飛ぶや居ながらにして水戸の梅 粋田化石


写メが飛ぶ、家に居ながら水戸の梅を見ることができるなんて、という句です。先日友人から梅の花の写メが届きました。受け取った時に、梅の花の写真が瞬時に飛んでくるなんて『飛梅』の様だと思いました。そのことが頭に残っていたのでこんな句になりました。水戸の梅と詠んだのは私の想像です。

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友人から届いた写真、その二


【 梅 うめ 】  好文木(かうぶんぼく) 花の兄  春告草(はるつげぐさ)  野梅(やばい)」 白梅  臥竜梅(ぐわりようばい)  豊後梅(ぶんごうめ)  枝垂梅(しだれうめ) 盆梅 老梅 梅が香 夜の梅 梅林 梅園 梅の里 梅の宿 梅月夜 梅日和 梅二月  (季春)
バラ科の落葉小高木の花。中国原産で、日本へは八世紀ごろには渡ってきていたとみられる。『万葉集』には一一九首もの梅の歌が収められ、花といえば桜よりも梅であった。春先、高い香気を放って 馥郁ふくいく と咲く。水戸市の偕楽園や奈良県月ケ瀬などは梅の名所。↓梅見 ・ 探梅(冬)(角川合本俳句歳時記第四版)

山里や井戸の端なる梅の花 鬼貫

梅が香にのつと日の出る山路かな 芭蕉

しら梅に明る夜ばかりとなりにけり 蕪村

夜の梅寝(い)ねんとすれば匂ふなり 白雄

母の死や枝の先まで梅の花 永田耕衣

近づけば向きあちこちや梅の花 三橋敏雄

ふろしきの紫たたむ梅の頃 大峯あきら

青天へ梅のつぼみがかけのぼる 新田祐久

曙や蘂を離さず梅ひらく 島谷征良

野の暮れにひとたびまぎれ野梅咲く 岡田日郎

梅しろくたそがれ給ふ仏たち 草間時光

勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男

白梅の花に蕾に枝走る 倉田紘文

白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子

枝垂梅とうとうたらりしだれたり 徳永山冬子

枝垂るるはいかなる力しだれ梅 片山由美子

梅林や人ちらばりてなきごとく 五十嵐播水

梅林の真中ほどと思ひつつ 波多野爽波

月ひかりだすまでゐたり梅林 飴山實

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オイル交換 [俳句]

自動車のオイル交換に行ってきました。

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自動車店の雰囲気が好きで、少々待たされても苦になりません。待っている間、分厚い硝子越しに店の外を眺めていても飽きないから不思議です。
店の中は春の様ですが、外はまだまだ日差しも弱く冬そのものです。入れていただいたコーヒーを飲みながらそんな景色を眺めていました。

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次は三月の定期点検でお世話になります。


オイル換(か)ふ合間の日影二月なり 粋田化石



オイル交換をしてもらっている。その間の日差しは春とはいえまだ二月だな、という句です。

【 二月 にぐわつ 】  (季春)
月の初めに立春がある。早春・春浅しといった気分の頃で、寒さはなお厳しい。季節風も強く、大陸から寒波の襲ってくることもあるが、しだいに日は長くなり春らしくなっていくのが感じられる。新潟・富山県などの豪雪地帯では二月の降雪が一~二メートル前後に及ぶ所もあるが、関東地方では鶯の初音が聞かれ、梅も開く。↓如月(角川合本俳句歳時記第四版)

竹林の月の奥より二月来る 飯田龍太

詩に瘦せて二月渚をゆくはわたし 三橋鷹女

木曾馬の黒瞳(め)みひらく二月かな 大峯あきら

風二月顔よごれきる塞の神 原裕

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寒波 [俳句]

寒波が来ています。夕方外に居たら、手と顔が痛かったです。自動車の温度計を見たらなんと零℃。北国の方には何でもないことかもしれませんが、ぬくぬくと生きている千葉県人には一大事なのです。
天気予報によると明日も寒い日になるとか。皆様くれぐれも体調にご注意くださいませ。

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降る星の頬に刺さるや寒波来し 粋田化石



寒波の来た夜、降る星が頬に刺さって痛いという句です。
寒波が来て日本海側が雪になっても太平洋側は晴れるのですね。空を見上げると星が綺麗な夜でした。

【 寒波 かんぱ 】 寒波来る  (季冬)
日本付近を西から東へ低気圧が通り抜けたあと、大陸からの寒気団が南下してもたらされる厳しい寒さ。次々に押し寄せて来るので寒波という。日本海側は雪、太平洋側は晴れになることが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)

寒波きぬ信濃へつゞく山河澄み 飯田蛇笏

寒波来るや山脈玻璃の如く澄む 内藤吐天

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立春 [俳句]

いよいよ立春ですね。
とはいっても、昨日の節分から一日しか過ぎていませんので大きく変わることはありません。今朝は自動車が凍っていましたし。
それでも、立春という言葉を目にしたり耳にしたりすると何となく気分が違います。

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立春の埃巻き上げ竹箒 粋田化石


立春と聞き竹箒でゴミを掃く手にも力が入って、立春の埃を巻き上げて掃いています。

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台風15号で飛ばされた瓦の修理を見上げていました。じっと立って見ているといるとまだまだ寒いですね。

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瓦屋を見上げ震うや寒の明 粋田化石


『寒の明(かんのあけ)』が春の季語です。立春と同じく節分の翌日の季語ですが、寒の明の方が“春とはいえ寒い”といった心象の季語です。

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【 立春 りつしゆん 】 春立つ  春(はる)来(きた)る 立春大吉
二十四節気は一年を二十四に分けたもので、立春はその一つ。節分の翌日にあたり、新暦の二月四日ごろ。暦の上ではこの日から春になる。寒気のなかにもかすかな春の兆しが感じられる。(角川合本俳句歳時記第四版)


【 寒明 かんあけ 】 寒明く 寒の明
小寒・大寒と続いた三十日間の寒の明けることで、新暦二月四日ごろにあたる。立春と同じであるが、寒の余韻がある。↓立春 ・ 寒の入(冬) ・ 寒(冬)(角川合本俳句歳時記第四版)

画像は全てフリー素材です

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節分 [俳句]

今日は節分でした。
屋根の上を見ると猫がいました。

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丁度逆光でしたので雉猫が真っ黒に見えたのですが、その真っ黒の耳の輪郭が鬼の角に見えました。節分にぴったりの光景でした。


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柊挿す逆光の猫角の生ゆ 粋田化石


柊挿す(ひいらぎさす)というのが冬の季語です。
節分で柊が挿(さ)してある、逆光で猫をみたら耳が鬼の角に見えた、という句です。
明日は立春ですので、最後の最後に登場する冬の季語ですね。


【 柊挿す ひひらぎさす 】 (季冬)
節分に、焼いた鰯の頭を刺した柊の枝を戸口に挿す風習は全国的に行われている。鬼や邪気が家に紛れ込むのを防ぐ 呪(まじな)い。これを「 焼嗅(やきかが)し」といって、鰯の他に葱・ 辣韮(らつきよう)・ 大蒜(にんにく)などの臭いものを挿したり、髪の毛を焼いたりする地方もある。(角川合本俳句歳時記第四版)

【 節分 せつぶん 】  (季冬)
立春の前日で、新暦二月三日ごろにあたる。もともと四季それぞれの分かれ目をいう語だが、現在は冬と春の境をいう。この夜、寺社では邪鬼を追い払い春を迎える意味で 追儺ついな が行われる。民間でも豆を撒いたり、鰯の頭や 柊(ひいらぎ)の枝を戸口に挿したりして、悪鬼を 祓はら う。↓追儺 ・ 柊挿す(角川合本俳句歳時記第四版)


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梅の花 [俳句]

梅が咲きました。最初の一輪を褒めてあげたいです。
もちろん梅は春の季語です。立春ももうすぐですね、春はそこまで来ています。
梅を見た後に、冬晴れの空の下電車に乗るために駅まで歩いたら、心なしか足取りが軽くなったように感じました。

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梅一輪今朝は五グラム軽き靴 粋田化石


梅の花が咲いたのを見て、普段履いている靴がほんの僅か五グラムほど軽くなった気がする。という句です。

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【 梅 うめ 】  好文木(かうぶぼく)  花の兄  春告草(はるつげぐさ)   野梅(やばい)  白梅  臥竜梅(ぐわりようばい)   豊後梅(ぶんごうめ)   枝垂梅(しだれうめ)  盆梅 老梅 梅が香 夜の梅 梅林 梅園 梅の里 梅の宿 梅月夜 梅日和 梅二月 (季春)

バラ科の落葉小高木の花。中国原産で、日本へは八世紀ごろには渡ってきていたとみられる。『万葉集』には一一九首もの梅の歌が収められ、花といえば桜よりも梅であった。春先、高い香気を放って 馥郁(ふくいく) と咲く。水戸市の偕楽園や奈良県月ケ瀬などは梅の名所。↓梅見 ・ 探梅(冬)(角川合本俳句歳時記第四版)

山里や井戸の端なる梅の花 鬼貫

梅が香にのつと日の出る山路かな 芭蕉

しら梅に明る夜ばかりとなりにけり 蕪村

夜の梅 寝(い)ねんとすれば匂ふなり 白雄

母の死や枝の先まで梅の花 永田耕衣

近づけば向きあちこちや梅の花 三橋敏雄

ふろしきの紫たたむ梅の頃 大峯あきら

青天へ梅のつぼみがかけのぼる 新田祐久

曙や蘂を離さず梅ひらく 島谷征良

野の暮れにひとたびまぎれ野梅咲く 岡田日郎

梅しろくたそがれ給ふ仏たち 草間時光

勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男

白梅の花に蕾に枝走る 倉田紘文

白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子

枝垂梅とうとうたらりしだれたり 徳永山冬子

枝垂るるはいかなる力しだれ梅 片山由美子

梅林や人ちらばりてなきごとく 五十嵐播水

梅林の真中ほどと思ひつつ 波多野爽波

月ひかりだすまでゐたり梅林 飴山實

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