このひと月 [日記]
パソコンの調子が悪くなり、更新を怠っていました。
その間に季節は夏になり、緊急事態宣言も解除となりました。
今日は、その一か月間に詠んだ俳句や川柳を記事にしました。
【 蛙 かはづ 】 蛙(かへる) 殿様蛙(とのさまがへる ) 赤蛙(あかがへる) 土蛙(つちがへる) 初蛙 遠蛙 昼蛙 夕蛙 田蛙 蛙合戦 蛙田 (季春)
両生類無尾目に属する動物の総称。その声は田園の春の情趣に欠かすことができない。春の繁殖期には池や沼に多くの蛙がひしめきあって生殖活動を行うが、これを「蛙合戦」と呼ぶ。↓雨蛙(夏) ・ 河鹿(夏) ・ 蟇(夏)
【 春深し はるふかし 】 春(はる) 闌(た)く 春(はる) 更(ふ)く (季春)
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられるころをいう。
鹿尾菜(ひじき)が春の季語です。前歯を欠いて鹿尾菜を食いにくそうにしているのを詠みました。
【 鹿尾菜 ひじき 】 鹿角菜(ひじき) ひじき刈 (季春)
褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道室蘭以北の海域を除いた日本各地に分布。茎は円柱状で葉は互生する。春から初夏にかけて繁茂し、初夏に精子と卵を作って有性生殖を行う。春に採取し、釜で煮た後、天日干ししたものが食用として親しまれている。
【 立夏 りつか 】 夏立つ 夏に入る 夏(なつ) 来(きた) る 夏(なつ) 来( く)る (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月五日ごろにあたる。暦の上ではこの日から夏が始まる。活気に満ちた季節の到来を感じさせる。
【 母の日 ははのひ 】 (季夏)
五月の第二日曜日で、母に感謝をする日。アメリカの一女性が亡母を 偲(しの)んで白いカーネーションを配ったことに始まる。後にウィルソン大統領によって「母の日」に制定され、広まった。亡母を偲ぶものは白、健在の母の場合は赤い花を胸につけた。大正時代に伝わったが、定着したのは戦後。
紙垂(しで)はしめ縄に下がる折った白い紙です
【 風薫る かぜかをる 】 薫風 (季夏)
木々の緑の香りを運ぶ心地よい風。和歌では、花や草の香りを運ぶ春風の意であったが、連歌で、初夏の風として意識されはじめた。
鷺は時々足元を見つめ固まっています。
【 青鷺 あをさぎ 】 (季夏)
日本のサギ類の中では最も大型で、背面が青灰色。産卵期は四~五月。北海道・本州・四国・ 対馬つしま で繁殖するが、北方のものは秋に南下し、冬季を暖地で過ごす。クァー、クァーと低い声で鳴き、ゆるく羽打ちながら飛ぶ。水辺や干潟に下りて、魚・蛙・貝・昆虫などを食べる。水辺などで塑像のように動かないこともある。
【 翡翠 かはせみ 】 川蟬 せうびん 翡翠(ひすい) (季夏)
雀より大きいカワセミ科の鳥で全体が青緑色、いわゆる 翡翠(ひすい)の玉に似てきわめて美しい。 翡翠(ひすい)は異称で、雄を翡、雌を翠という。 嘴くちばし は黒くて鋭く長い。夏、渓流や池沼に沿った 杭くい や岩・樹枝の上から魚を狙い、見つけると急降下して捕らえる。飛翔は直線的で、飛翔中にツィーという声で鳴く。
【 牡丹 ぼたん 】 ぼうたん 富貴草(ふうきさう) 白牡丹(はくぼたん) 緋牡丹(ひぼたん) 牡丹園 (季夏)
ボタン科ボタン属の落葉低木の花。観賞用に世界的に栽培される。中国西北部に自生し、中国を代表する花。花王・花神・富貴花などの異名を持つ。晩春から初夏にかけて直径一〇~二〇センチの豊麗な花をつけ、色は白・紅・真紅・黄・絞りなどさまざま。根は薬用になる。↓寒牡丹(冬)
番外
【 小満 せうまん 】 (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月二十一日ごろにあたる。万物しだいに長じて満つるの意。
【 薔薇 ばら 】 薔薇(さうび) 紅薔薇 白薔薇 薔薇園 薔薇垣 (季夏)
バラ科バラ属の低木の花。野生種は世界に約二百種、日本にも約十種がある。幹は 叢生(そうせい)・ 蔓(つる)性とその中間に分けられる。古代から中近東や中国で色と香りが愛されてきたが、現在の園芸種はヨーロッパと東西アジアの原産種が複雑に交配されたもの。五月ごろが最盛期で秋咲きのものも美しい。↓薔薇の芽(春)
擬宝珠(ぎぼし)は橋の欄干にある玉ねぎみたいな物です
【 夏の雨 なつのあめ 】 緑雨 (季夏)
夏に降る雨のことで、明るさを背景に感じさせる。新緑のころに降る雨は緑雨という。
【 麦の秋 むぎのあき 】 麦秋(むぎあき) 麦秋(ばくしう) (季夏)
麦が黄金色に熟して取り入れどきになる初夏のころをいう。「秋」は実りのときの意。↓麦刈
【 時鳥 ほととぎす 】 子規(ほととぎす) 不如帰(ほととぎす) 杜鵑(ほととぎす) 蜀魂(ほととぎす) 杜宇(ほととぎす) (季夏)
日本で繁殖するホトトギス科の鳥中最も小型で、背面は暗灰色、風切羽はやや褐色、尾羽には黒色の地に白斑がある。五月中旬ごろに南から渡ってきて、低山帯から山地などに棲息し飛び回る。卵を 鶯(うぐいす)などの巣に 托(たく)す習性(托卵)がある。昼夜の別なく一種気迫のある鳴き方をし、「てっぺんかけたか」「 本尊(ほんぞん)かけたか」「特許許可局」その他いろいろに聞き 做(な)す。またせわしく鳴く声を古人は 帛(きぬ)を裂くようだといったが、実際はさほど激しい声ではない。鶯とともに、初音を待ちわびるものであった。
【 蠑螈 ゐもり 】 井守(ゐもり) 赤腹(あかはら) (季夏)
守宮(やもり)に似てそれよりやや大きいイモリ科の両生類。背が黒く腹が赤い。四肢の発達が不十分で歩行は拙劣だが、尾が平たいので遊泳に適している。池や溝、野井戸などに棲息、水面へ出ると肺呼吸する。五~六月ごろに産卵する
【 枇杷 びは 】 枇杷の実 (季夏)
枇杷はバラ科の常緑高木。石灰岩地帯に野生するが、改良品種が栽培される。冬に花が咲き、翌年六月ごろ倒卵形の果実が黄橙色に熟する。半透明の内果皮を食するが、少し酸味があり、甘味も強い。
【プール】 プールサイド (季夏)
学校などのプールは二五メートルが一般的だが、日本水泳連盟公認のプールは二五、五〇メートルプールで、国際競技には七コース以上のものが使用される。
【 苺 いちご 】 覆盆子(いちご) 苺狩 苺畑 野苺 草苺 (季夏)
現在ほとんどが温室栽培となり、季節を問わず店先に並ぶが、苺は本来は夏に熟するものである。栽培ものの中心はオランダ苺。食べる部分は 花托(かたく)が肥大したもので、表面に散在するのが種子。↓冬苺(冬)
【 更衣 ころもがへ 】 衣更(ころもか)ふ (季夏)
季節の推移にあわせて衣服を替えること。俳句では夏の衣服に替えることをいう。更衣は宮中で旧暦四月 朔日ついたち に行われていたものが、一般に広まったもの。現在でも制服を着用するところでは五~六月に夏服への更衣を行う。夏の更衣に対して、十月一日に冬服に替えることは 後(のち)の更衣。
その間に季節は夏になり、緊急事態宣言も解除となりました。
今日は、その一か月間に詠んだ俳句や川柳を記事にしました。
四月二十八日
蛙合戦何れが武田上杉か 粋田化石
泡沫(うたかた)や蛙水面でウタカタと 粋田化石
【 蛙 かはづ 】 蛙(かへる) 殿様蛙(とのさまがへる ) 赤蛙(あかがへる) 土蛙(つちがへる) 初蛙 遠蛙 昼蛙 夕蛙 田蛙 蛙合戦 蛙田 (季春)
両生類無尾目に属する動物の総称。その声は田園の春の情趣に欠かすことができない。春の繁殖期には池や沼に多くの蛙がひしめきあって生殖活動を行うが、これを「蛙合戦」と呼ぶ。↓雨蛙(夏) ・ 河鹿(夏) ・ 蟇(夏)
四月三十日
春深しクロスワードはトで五文字 粋田化石
【 春深し はるふかし 】 春(はる) 闌(た)く 春(はる) 更(ふ)く (季春)
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられるころをいう。
五月一日
一心に鹿尾菜(ひじき)食う人前歯欠き 粋田化石
鹿尾菜(ひじき)が春の季語です。前歯を欠いて鹿尾菜を食いにくそうにしているのを詠みました。
【 鹿尾菜 ひじき 】 鹿角菜(ひじき) ひじき刈 (季春)
褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道室蘭以北の海域を除いた日本各地に分布。茎は円柱状で葉は互生する。春から初夏にかけて繁茂し、初夏に精子と卵を作って有性生殖を行う。春に採取し、釜で煮た後、天日干ししたものが食用として親しまれている。
五月二日
青信号生足渡る立夏かな 粋田化石
朝刊を広げ爪切る立夏かな 粋田化石
木漏れ日に自粛も揺らぐ立夏かな 粋田化石
【 立夏 りつか 】 夏立つ 夏に入る 夏(なつ) 来(きた) る 夏(なつ) 来( く)る (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月五日ごろにあたる。暦の上ではこの日から夏が始まる。活気に満ちた季節の到来を感じさせる。
五月七日
母の日や写真の母は舌を出し 粋田化石
母の年追い抜き二つ母の日よ 粋田化石
【 母の日 ははのひ 】 (季夏)
五月の第二日曜日で、母に感謝をする日。アメリカの一女性が亡母を 偲(しの)んで白いカーネーションを配ったことに始まる。後にウィルソン大統領によって「母の日」に制定され、広まった。亡母を偲ぶものは白、健在の母の場合は赤い花を胸につけた。大正時代に伝わったが、定着したのは戦後。
五月十一日
風薫る雲に溶け行く紙垂(しで)白し 粋田化石
紙垂(しで)はしめ縄に下がる折った白い紙です
【 風薫る かぜかをる 】 薫風 (季夏)
木々の緑の香りを運ぶ心地よい風。和歌では、花や草の香りを運ぶ春風の意であったが、連歌で、初夏の風として意識されはじめた。
五月十二日
青鷺の一歩出てまた固まりぬ 粋田化石
鷺は時々足元を見つめ固まっています。
【 青鷺 あをさぎ 】 (季夏)
日本のサギ類の中では最も大型で、背面が青灰色。産卵期は四~五月。北海道・本州・四国・ 対馬つしま で繁殖するが、北方のものは秋に南下し、冬季を暖地で過ごす。クァー、クァーと低い声で鳴き、ゆるく羽打ちながら飛ぶ。水辺や干潟に下りて、魚・蛙・貝・昆虫などを食べる。水辺などで塑像のように動かないこともある。
五月十三日
翡翠(かわせみ)は空の申し子池碧(あお)し
粋田化石【 翡翠 かはせみ 】 川蟬 せうびん 翡翠(ひすい) (季夏)
雀より大きいカワセミ科の鳥で全体が青緑色、いわゆる 翡翠(ひすい)の玉に似てきわめて美しい。 翡翠(ひすい)は異称で、雄を翡、雌を翠という。 嘴くちばし は黒くて鋭く長い。夏、渓流や池沼に沿った 杭くい や岩・樹枝の上から魚を狙い、見つけると急降下して捕らえる。飛翔は直線的で、飛翔中にツィーという声で鳴く。
五月十五日
傘の内昨日見つけし白牡丹 粋田化石
【 牡丹 ぼたん 】 ぼうたん 富貴草(ふうきさう) 白牡丹(はくぼたん) 緋牡丹(ひぼたん) 牡丹園 (季夏)
ボタン科ボタン属の落葉低木の花。観賞用に世界的に栽培される。中国西北部に自生し、中国を代表する花。花王・花神・富貴花などの異名を持つ。晩春から初夏にかけて直径一〇~二〇センチの豊麗な花をつけ、色は白・紅・真紅・黄・絞りなどさまざま。根は薬用になる。↓寒牡丹(冬)
番外
密三つ唱う怪しき晋三つ 粋田化石
五月十九日
小満や距離の縮まる野良の猫 粋田化石
【 小満 せうまん 】 (季夏)
二十四節気の一つで、新暦五月二十一日ごろにあたる。万物しだいに長じて満つるの意。
五月二十日
実験室フラスコに活く薔薇の花 粋田化石
【 薔薇 ばら 】 薔薇(さうび) 紅薔薇 白薔薇 薔薇園 薔薇垣 (季夏)
バラ科バラ属の低木の花。野生種は世界に約二百種、日本にも約十種がある。幹は 叢生(そうせい)・ 蔓(つる)性とその中間に分けられる。古代から中近東や中国で色と香りが愛されてきたが、現在の園芸種はヨーロッパと東西アジアの原産種が複雑に交配されたもの。五月ごろが最盛期で秋咲きのものも美しい。↓薔薇の芽(春)
五月二十二日
剥げ落ちし擬宝珠(ぎぼし)伝わる緑雨かな 粋田化石
擬宝珠(ぎぼし)は橋の欄干にある玉ねぎみたいな物です
【 夏の雨 なつのあめ 】 緑雨 (季夏)
夏に降る雨のことで、明るさを背景に感じさせる。新緑のころに降る雨は緑雨という。
五月二十五日
麦の秋二輛の列車歩くごと 粋田化石
【 麦の秋 むぎのあき 】 麦秋(むぎあき) 麦秋(ばくしう) (季夏)
麦が黄金色に熟して取り入れどきになる初夏のころをいう。「秋」は実りのときの意。↓麦刈
五月二十六日
時鳥鳴き足りぬらし夜もなお 粋田化石
夜更かしの吾を見張りに時鳥 粋田化石
山の向こう幸せあると時鳥 粋田化石
【 時鳥 ほととぎす 】 子規(ほととぎす) 不如帰(ほととぎす) 杜鵑(ほととぎす) 蜀魂(ほととぎす) 杜宇(ほととぎす) (季夏)
日本で繁殖するホトトギス科の鳥中最も小型で、背面は暗灰色、風切羽はやや褐色、尾羽には黒色の地に白斑がある。五月中旬ごろに南から渡ってきて、低山帯から山地などに棲息し飛び回る。卵を 鶯(うぐいす)などの巣に 托(たく)す習性(托卵)がある。昼夜の別なく一種気迫のある鳴き方をし、「てっぺんかけたか」「 本尊(ほんぞん)かけたか」「特許許可局」その他いろいろに聞き 做(な)す。またせわしく鳴く声を古人は 帛(きぬ)を裂くようだといったが、実際はさほど激しい声ではない。鶯とともに、初音を待ちわびるものであった。
五月二十七日
掌の皺押し広げ蠑螈(いもり)逃ぐ 粋田化石
青き枇杷早柔き毛の生え揃い 粋田化石
【 蠑螈 ゐもり 】 井守(ゐもり) 赤腹(あかはら) (季夏)
守宮(やもり)に似てそれよりやや大きいイモリ科の両生類。背が黒く腹が赤い。四肢の発達が不十分で歩行は拙劣だが、尾が平たいので遊泳に適している。池や溝、野井戸などに棲息、水面へ出ると肺呼吸する。五~六月ごろに産卵する
【 枇杷 びは 】 枇杷の実 (季夏)
枇杷はバラ科の常緑高木。石灰岩地帯に野生するが、改良品種が栽培される。冬に花が咲き、翌年六月ごろ倒卵形の果実が黄橙色に熟する。半透明の内果皮を食するが、少し酸味があり、甘味も強い。
五月二十八日
レナウン娘プールサイドに来ない日々 粋田化石
【プール】 プールサイド (季夏)
学校などのプールは二五メートルが一般的だが、日本水泳連盟公認のプールは二五、五〇メートルプールで、国際競技には七コース以上のものが使用される。
五月二十九日
野苺を分相応に一つだけ 粋田化石
【 苺 いちご 】 覆盆子(いちご) 苺狩 苺畑 野苺 草苺 (季夏)
現在ほとんどが温室栽培となり、季節を問わず店先に並ぶが、苺は本来は夏に熟するものである。栽培ものの中心はオランダ苺。食べる部分は 花托(かたく)が肥大したもので、表面に散在するのが種子。↓冬苺(冬)
五月三十日
手水舎で胸元濡らす更衣 粋田化石
【 更衣 ころもがへ 】 衣更(ころもか)ふ (季夏)
季節の推移にあわせて衣服を替えること。俳句では夏の衣服に替えることをいう。更衣は宮中で旧暦四月 朔日ついたち に行われていたものが、一般に広まったもの。現在でも制服を着用するところでは五~六月に夏服への更衣を行う。夏の更衣に対して、十月一日に冬服に替えることは 後(のち)の更衣。