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蕗の薹(ふきのとう) [俳句]

親しい知人から蕗の薹の写真を頂きました。しかも料理の写真付きです。

一昨日も恋の句だったかもしれません。嫌がらずにお付き合いください。

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恋の味取り取り並ぶ蕗の薹 粋田化石


長く生きてきましたので恋もたくさんしました。粋田化石にとって、恋は程度の差こそあれいつでもほろ苦いものだったような気がします。中にはデス・ソースのような味もあったかもしれません。摘まれて並ぶ蕗の薹の写真を見ていて色々思いました。この蕗の薹たちのほろ苦さもそれぞれ違うのでしょうね。



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古の恋を喰らうや蕗の薹 粋田化石


さあ過ぎ去った古(いにしえ)の恋の味、蕗の薹を食べてみましょうか。



【 蕗の薹 ふきのたう 】 蕗の芽 蕗の花 春の蕗  (季春)
蕗はキク科の多年草。早春、いち早く地中から萌黄色の花茎を出し、その外側は大きな 鱗うろこ のような濃赤紫色の葉で幾重にも包まれている。これが蕗の薹である。ほろ苦く風味があり、蕗味噌や天麩羅などにする。雌雄異株で、雄花は黄白色、雌花は白色。(角川合本俳句歳時記第四版)






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啓蟄 [俳句]

啓蟄です
でも、千葉県東部地方は殆ど日が差さない少し肌寒い日でした。


啓蟄と知らずば影を望まぬに  粋田化石


折角の啓蟄です、今日は晴れて暖かな日になってほしかったです。もし今日が啓蟄とは知らなければ、そんなことは思わないのにという句です。

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啓蟄や鼻唄に猫振り向かぬ 粋田化石


啓蟄と聞いただけで心が躍ります。ついつい鼻唄の声も大きくなって、猫に聞かれてしまいました。

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啓蟄や亀に押されて頭出す 粋田化石


我が家の亀たちはまだ餌を食べませんが、少しだけ動いています。どうやら目覚めの準備は始まったようです。啓蟄もその亀に押されて頭を見せてくれました。


【 啓蟄 けいちつ 】
二十四節気の一つで、新暦三月五日ごろにあたる。暖かくなってきて、冬眠していた蟻・地虫・蛇・蛙などが穴を出るころとされる。↓蛇穴を出づ ・ 地虫穴を出づ (角川合本俳句歳時記第四版)





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亀は鳴きません [俳句]

亀鳴く( かめなく)という春の季語があります。
もちろん亀は鳴きません。
情緒的な春の季語のようですが、謂(いわ)れを読むと恋の句に使いたくなる季語ですね。
そこで、粋田化石にはあまり似付かわしくはない句を詠んでみました。

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亀鳴くもこの色心に隠しおく 粋田化石



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色とは態度のことです。心は“うら”と読んでください。
亀の雄が雌を慕って鳴く恋の季節ですが、私のこの気持ちは心の中にしまっておきます。といった感じの句です。
亀鳴くという季語が無ければ、何のために態度を心に隠すのだろうかと、疑問の残る句になってしまうかもしれません。季語の力は偉大です。



【 亀鳴く かめなく 】 (季春)
春になると亀の雄が雌を慕って鳴くというが、実際には亀が鳴くことはなく、情緒的な季語。藤原為家の題詠歌「川越のみちのながぢの夕闇に何ぞと聞けば亀ぞなくなる」(『夫木和歌抄』)によるといわれ、古くから季語として定着している。(角川合本俳句歳時記第四版)

画像はすべてフリー素材です






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春霖(しゅんりん) [俳句]

千葉県東部地方は昨日今日と二日間雨でした。
数日間降り続く春雨のことを『春霖 しゅんりん』というのだそうです。素敵な響きです。

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春霖はかくあるべきと影隠し 粋田化石


影はあまり使われない言葉ですが、“光”のことです。仮面の忍者赤影の影はこの影だと思います。
今日は日中も薄暗く寒い日でした。何日も続く春雨が、春雨というのはこういうものだよと言わんばかりに景色を薄暗くしている様子を詠みました。

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春霖や税の申告済みてなお 粋田化石


昨日今日と確定申告の書類を作っていました。何とか目処(めど)が付いたので手を休めて外を見ると、相変わらず春の雨が降り続いています。


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【 春雨 はるさめ 】 春の雨  春霖(しゆんりん)
春雨は古くからしっとりとした趣のあるものとして詠まれてきた。春霖は数日間降り続く春の雨のこと。↓春時雨 (角川合本俳句歳時記第四版)






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雛祭り [俳句]

雛祭りですね。
 季語としての『雛祭り』には傍題(主題に対する副題)がたくさんあります。雛祭りとしての歴史もあるのでしょう。また、段飾りでは飾るものがたくさんありますから当然のことかもしれません。
 因みに、我が家の雛人形は男女一対の内裏雛です。

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二十年を十二単で女雛かな 粋田化石

 
 二十年と書いて“はたとせ”と読みます。十二単は“じゅうにひとえ”です。
我が娘は二十歳を過ぎています。赤ん坊から大人になるまで二十数年間見守って来た娘は、
どこそこのコートが欲しいとか財布が欲しいとか、そんな話しをよくします。一方、娘と同い年の雛人形はずっと同じお顔をされていますし、ずっと同じ装束です。当たり前のことですが、なんだか不思議な気分になりました。


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雛の間に犯罪劇の悲鳴かな 粋田化石


 この句はちょっと故事来歴を有する季語を汚しているかもしれません。雛人形と同じ部屋にTVがあるので、二時間ドラマの犯罪場面の音声を聞きながら人形の雅なお顔を拝見するのが申し訳ないです。


【 雛祭 ひなまつり 】 桃の節供 上巳 三月節供 弥生の節供 桃の日 雛の日 雛(ひひな)雛遊び 雛飾 雛飾る 雛人形  内裏雛(だいりびな) 官女雛  五人囃(ごにんばやし)  男雛(をびな)  女雛(めびな) 古雛 紙雛 立雛 土雛 吉野雛 雛段 雛の調度 雛道具 雛の鏡 雛菓子 雛あられ 菱餅 白酒 雛の燭 雛の灯 雛の客 雛の宴 雛の家 雛の間  (季春)
三月三日に女児の息災を祈って行われる行事で、古くは桃の節句、雛遊びなどといった。桃の節供はもとは五節句(人日=一月七日、上巳=三月三日、端午=五月五日、七夕=七月七日、重陽=九月九日)の一つ。雛に桃の花を飾り、白酒・菱餅・あられなどを供えて祝う。 人形ひとがた で身体の穢れを祓い川に流した上巳の日の祓の行事に、雛遊びの風習が習合したもので、江戸時代から紙雛にかわって内裏雛が多く作られるようになり、豪華な段飾りへと発展した。(角川合本俳句歳時記第四版)






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仲春(ちゆうしゆん) [俳句]

仲春(ちゆうしゆん)という季語があります。
早春が過ぎ春本番を迎える丁度今頃の季語です。こういう言葉を聞くと日本人で良かったと思いますね。

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仲春や指でこっそり水溜り 粋田化石



水温(ぬる)むという春の季語があります。雨上がりに、好奇心から水溜りの水に指を入れてみました。午前中の早い時間帯だったせいか、まだ“水温む”には遠い感じがしました。




牛の尿溢れ出るや春なかば 粋田化石


尿は“しと”と読んでください。暖かくなってきて牛の排尿の勢いが増したように思えます。残念ながら映像も画像もお見せできません。飲水の量が増えたからでしょうか、それとも春に浮かれている私の勘違いでしょうか。




【 仲春 ちゆうしゆん 】 春なかば  (季春)
初春・晩春に対する語で新暦三月にあたる。地方によりずれはあるが、早春の季節が過ぎて春本番を迎える趣である。↓早春 ・ 晩春 (角川合本俳句歳時記第四版)







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