三月十日は童謡詩人金子みすゞさんの忌日 [エッセー]
三月十日は童謡詩人金子みすゞさんの忌日です。
そこで、みすゞさんの春の詩を紹介します。今回は旧漢字・旧仮名遣いのまま載せました。
「げんげ」 金子みすゞ
雲雀(ひばり)聽き聽き摘(つ)んでたら、
にぎれ切れなくなりました。
持つてかへればしをれます、
しをれりや、誰かが捨てませう。
きのふのやうに、芥箱(ごみばこ)へ。
私はかへるみちみちで、
花のないとこみつけては、
はらり、はらりと、撒(ま)きました。
──春のつかひのするやうに。
新装版金子みすゞ全集・Ⅱ 空の母様 JULA出版局 1995年
「春の朝」 金子みすゞ
雀がなくな、
いい日和だな、
うつとり、うつとり
ねむいな
上の瞼(まぶた)はあかうか、
下の瞼はまアだよ、
うつとり、うつとり
ねむいな。
新装版金子みすゞ全集・Ⅰ 美しい町 JULA出版局 1995年
小説家や詩人の忌日を何かに例えたり因んだりして〇〇忌と呼びますが、みすゞさんの忌日にはまだ呼び名が無いようです。
そこで考えたのですが『憐魚忌 れんぎょき』というのは如何でしょうか。
憐魚忌という呼び名は彼女の代表作『お魚』から付けました
ちょっと語呂が悪いかもしれませんね。
「お魚」 金子みすず
海の魚(さかな)はかはいさう。
お米は人につくられる、
牛は牧場で飼(か)はれてる、
鯉(こい)もお池で麩(ふ)を貰(もら)う。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる。
ほんとに魚はかはいさう。
新装版金子みすゞ全集・Ⅰ 美しい町 JULA出版局 1995年
そこで、みすゞさんの春の詩を紹介します。今回は旧漢字・旧仮名遣いのまま載せました。
「げんげ」 金子みすゞ
雲雀(ひばり)聽き聽き摘(つ)んでたら、
にぎれ切れなくなりました。
持つてかへればしをれます、
しをれりや、誰かが捨てませう。
きのふのやうに、芥箱(ごみばこ)へ。
私はかへるみちみちで、
花のないとこみつけては、
はらり、はらりと、撒(ま)きました。
──春のつかひのするやうに。
新装版金子みすゞ全集・Ⅱ 空の母様 JULA出版局 1995年
「春の朝」 金子みすゞ
雀がなくな、
いい日和だな、
うつとり、うつとり
ねむいな
上の瞼(まぶた)はあかうか、
下の瞼はまアだよ、
うつとり、うつとり
ねむいな。
新装版金子みすゞ全集・Ⅰ 美しい町 JULA出版局 1995年
小説家や詩人の忌日を何かに例えたり因んだりして〇〇忌と呼びますが、みすゞさんの忌日にはまだ呼び名が無いようです。
そこで考えたのですが『憐魚忌 れんぎょき』というのは如何でしょうか。
憐魚忌という呼び名は彼女の代表作『お魚』から付けました
ちょっと語呂が悪いかもしれませんね。
憐魚忌と決めてみすゞの春祝い 粋田化石
「お魚」 金子みすず
海の魚(さかな)はかはいさう。
お米は人につくられる、
牛は牧場で飼(か)はれてる、
鯉(こい)もお池で麩(ふ)を貰(もら)う。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる。
ほんとに魚はかはいさう。
新装版金子みすゞ全集・Ⅰ 美しい町 JULA出版局 1995年
2018-03-11 00:15
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コメント(2)
金子みすゞさんといえば、7年前の震災のとき、CMで「こだまでしょうか」が繰り返し流れてましたね。それで、木魂忌(もっこんき)というのを思いつきました。音はあまり良くないかも…です。
by えくりぷす (2018-03-11 09:44)
えくりぷす様、有り難うございます。
木魂忌は私の憐魚忌より音の響きが良いですね。
「わたしと小鳥と鈴と」があり、名前もみすゞなので、「鳴鈴忌」というのも実は、考えていましま。
by 粋田化石 (2018-03-11 13:27)