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色鳥(いろどり) [俳句]

今回はあまり馴染みのない季語『色鳥』です。

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尉鶲(じょうびたき)♀



色鳥や翼の裏のつづまやか 粋田化石



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尉鶲(じょうびたき)♂


俳都松山『俳句ポスト365』に投稿した句です。
秋になると日本に渡ってくる美しい小鳥のことを『色鳥 いろどり』と言います。
身近なところでは『尉鶲 じょうびたき』をよく目にしますね。
『つづまやか』は漢字で『約やか』。地味とか質素という意味です。
色鳥たちも翼の裏側は地味な色をしていたりします。そんな様子を句にしました。

【 色鳥 いろどり 】 (季秋)
秋、渡ってくる小鳥類のうち、 花鶏(あとり)・ 真鶸(まひわ)・ 尉鶲(じようびたき)など色とりどりの美しい鳥を総称して色鳥という。(角川合本俳句歳時記第四版)


つづま‐やか【約まやか】
[形動][文][ナリ]
[1] 簡潔で要を得ているさま。てみじかなさま。
「歎願なせる趣きを右小弁家の宛(あて)にして最(いと)―に記されたり」〈染崎延房・近世紀聞〉
[2] 控えめで質素なさま。つつましいさま。「―な暮らし」
「―に暮らす親一人子一人の京の住居(すまい)に」〈漱石・虞美人草〉
[類語] (2)質素・簡素・つましい・地味
(大辞泉第二版)

画像は全てフリー素材です

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つなこさんから句が届きました 十月十五日 [俳句]

つなこさんから秋の句が届きました。

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秋色や一つ加えるアクセサリー つなこ



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決して粋田化石には詠むことができない女性ならではの句ですね。
さて、つなこさんの見た秋色の景色の中にはどんなアクセサリーが加わったのでしょうか。




秋は、目にするもの音に聞こえるものが琴線に触れやすいせいか、句の材料が多くかんじます。

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秋深し牛の食み音凄まじき 粋田化石



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粋田化石はハイブリットの自動車に乗っています。ハイブリット車の電池は寒さに弱いらしく、最近燃費が悪くなってきました。寒くなって来ると、人と同じで動物たちの食欲も増してきます。ここ数日で、牛が餌を喰う時の音が大きくなったような気がします。


【 秋色 しうしよく 】 秋の色 秋光 秋の光 秋望  (季秋)
秋景色・秋の風色のことである。和歌では「秋の色」として使い、紅葉や黄葉などの具体的な色を念頭に置く場合が多いが、俳諧になって抽象的に使われることが多くなった。「秋光」もまた、和歌では「秋の光」として使い、月光について言う場合が多いが、今日では陽光の明るさを 籠こ めて秋の風光を賞美する言葉として使われることが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)


【 秋深し あきふかし 】  深秋(しんしう)  (季秋)
秋もいよいよ深まった感じをいう。草木は紅葉し、大気は冷やかに澄んで、寂寥の心持ちが深い。(角川合本俳句歳時記第四版)







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飛行機雲 [俳句]

夕暮れに飛行機雲を見ました。儚い秋の夕焼けに向かって伸びて行く飛行機雲がとても美しく見え、咄嗟に写真を撮りました。咄嗟に撮影した割には良く撮れていると自画自賛です。
地球が丸いせいでしょうか、飛行機雲をずっと見ていると地平に向かって落ちて行くように見えますね。まるで彗星の衝突のようです。

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秋色や飛行機雲は一筋に 粋田化石




秋の気配の中をまっすぐに伸びて行く飛行機雲。二筋の飛行機雲が時間の経過とともに一筋になって行く。そんな様子を詠んだ句です。




【 秋色 しうしよく 】 秋の色 秋光 秋の光 秋望  (季秋)
秋景色・秋の風色のことである。和歌では「秋の色」として使い、紅葉や黄葉などの具体的な色を念頭に置く場合が多いが、俳諧になって抽象的に使われることが多くなった。「秋光」もまた、和歌では「秋の光」として使い、月光について言う場合が多いが、今日では陽光の明るさを 籠こ めて秋の風光を賞美する言葉として使われることが多い。(角川合本俳句歳時記第四版)






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秋の蜘蛛 [俳句]

秋の蜘蛛


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蜘蛛が地面に落ちて仰向けになっていました。


蜘蛛落ちて幾度も空を掴みけり 粋田化石



近づくと肢を動かして何かを掴もうとします。起き上がれるのかなと思い蜘蛛の上に木の葉を乗せてみましたが、葉を掴むだけで起き上がることはできませんでした。この蜘蛛は秋が来て寿命が尽きようとしているのかもしれません。
ちなみに、蜘蛛は夏の季語ですが、黄色と黒の『ジョロウグモ』は秋近くになってからよく見かける蜘蛛です。せめてジョロウグモは秋の季語にしていただきたいものです。

画像は加工してあります。


【 蜘蛛 くも 】  蜘蛛(くも)の 囲ゐ  蜘蛛の巣 蜘蛛の糸 女郎蜘蛛 蜘蛛の太鼓 蜘蛛の子  (季夏)
真正クモ目の節足動物の総称。種類が多く、日本には約千種いる。巣の形には色々ある。夕暮れに尻から糸を出し、木と木の間に円形の巣を作る様をよく見る。その巣を蜘蛛の囲ともいう。女郎蜘蛛などが巣の中心で獲物を待つ姿は印象的。初夏に雌蜘蛛が大きな 卵囊らんのう をぶら下げている様子を蜘蛛の太鼓という。それが破れると無数の子蜘蛛が飛び出し、その様子が「蜘蛛の子を散らす」という 譬(たと)えになっている。(角川合本俳句歳時記第四版)


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2018NHK学園生涯学習フェスティバル 市川市俳句大会 [俳句]

『2018NHK学園生涯学習フェスティバル 市川市俳句大会』で入賞しました。勝率は四割くらいです。

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題詠『子』

冷房の部屋より子機を差し出され 粋田化石


冷房のきいた部屋から手が出て来て電話の子機を渡された時の句。「涼しい部屋から出たくない」という気持ちを詠んで暑さを表現しました。

【 冷房 れいばう 】 クーラー 冷房車  (季夏)
近年、クーラーの普及は著しく、家庭に備えるのも普通となった。一方、冷房のききすぎを嫌う人も増えている。(角川合本俳句歳時記第四版)



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十五まで数えてあとは雪の貨車 粋田化石


駅で通過する貨物列車の貨車の数を数えた際の句。十五まで数えて、途中から雪の貨車・雪の貨車・・・。

【 雪 ゆき 】  六花(むつのはな)  小雪(こゆき)  大雪(おほゆき)  深雪(みゆき)  粉雪(こなゆき)  粉雪(こゆき)  細雪(ささめゆき)  小米雪(こごめゆき)  新雪(しんせつ) 根雪 飛雪 雪明り  暮雪(ぼせつ)  雪晴(ゆきばれ) 深雪晴  (季冬)
大気中の水蒸気が冷えて結晶となり、地上に降ってくるもの。また、それが降り積もったもの。北海道や北陸、東北の日本海に面した地方は有数の多雪地帯で、数か月の間雪に閉じ込められることもある。雪のために被る被害は大きいが、半面豊かな水資源となり豊穣をもたらす。古来、「雪月花」の一つとして愛でられてきた。雪の結晶は多く六方晶系の結晶となるため「六花」ともいう。(角川合本俳句歳時記第四版)



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裏返る傘を畳む手冬の海 粋田化石


冬の氷見海岸(富山県)で詠んだ句。雨と強風の冬の海岸で、風の為にオチョコになってしまった傘を畳む手の何と冷たいことでしょう。

【 冬の海 ふゆのうみ 】 冬の浜  (季冬)
日本海側の冬の海は暗く、荒涼として 時化しけ ることが多い。太平洋側はからりと明るいが、うねりが大きく荒々しい。(角川合本俳句歳時記第四版)



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家族には言えぬ七日の探し物 粋田化石


一月七日に探し物をした時の句。『家族には言えぬ』が読む人の想像力を呼びます。

【 七日 なぬか 】  七日(なのか)  七日正月  (季新年)
一月七日。 七種粥ななくさがゆ を食べ息災を祈る風習がある。七日正月は元日から始まった正月の終りの日とも、小正月の準備を始める日ともされる。↓(角川合本俳句歳時記第四版)


次は、来年一月二十日に開催される『NHK全国俳句大会』での入賞を目指します。


画像は全てフリー素材です


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