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野分 のわき [俳句]

台風が来ています。本州からは離れて行く様ですが、島で暮らしている方にはまだまだ心配ですね。どうかお気をつけください。
さて、台風は秋の季語です。台風と同じように秋の暴風を表す言葉に『野分 のわき』があります。

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野分去り普段の電信柱かな 粋田化石


夏井いつき先生が選者をされている俳都松山『俳句ポスト365』に投稿した句です。
野分が去った後、電信柱が普段の姿で立っているという句です。千葉県は昨年の台風で大きな被害を被ったので、それを思い出して詠みました。字余りはお許しください。


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良い方のバケツ持ち去る野分かな 粋田化石


やはり『俳句ポスト365』に投稿した句です。
庭に置いてあった二個のバケツのうち、良い方のバケツを野分に飛ばされてしまったという句です。

【 野分 のわき 】 野わけ 野分だつ  野分後(のわきあと) 夕野分 野分雲 野分晴  (季秋)
秋の暴風のことで、野の草を吹き分けるほどの風の意。特に二百十日・二百二十日前後には猛烈な暴風が襲ってくることが多い。野分のあとは、草がなぎ倒されたり庭にものが飛び散ったりと荒々しい景を呈するが、古来それもまた風情あるものとして受けとめてきた。夜のうちに野分が去ったときなど、ことさら朝の晴ればれとした気分を感じさせる。(角川合本俳句歳時記第四版)

芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな 芭蕉
鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな 蕪村
大いなるものが過ぎ行く野分かな 高浜虚子
白墨の手を洗ひをる野分かな 中村草田男
野分中つかみて墓を洗ひをり 石田波郷
独り刈る髪切りこぼす野分中 石川桂郎
漆黒の天に星散る野分あと 相馬遷子
家中の水鮮しき野分あと 正木ゆう子 
頰杖の指のつめたき夕野分 高柳重信
夕野分祈るかたちの木を残す 小池文子

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